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ぎっちょん

財布落とすとかないわー。


続きは小説です。
長くなったので二つに分けます。
次にアップするのでラストにする予定。
ざわざわ……


プロンテラ大聖堂前には大きな人だかりができていた。
そのほとんどが野次馬であることに間違いはない。

王子を暗殺した犯人と疑われる男に対し、教会側が証拠を突き付け罪を認めさせるというのだから、無理もないだろう。


それを聞いて駆け付けたのは、ただの野次馬だけではない。


「本当にすごい人ですね」


「サヅギさん、こんな人ごみの中に入れるんかぁ?」


相変わらず濁音が入った春通の呼び方に、サツキは眉を小さく動かしながら心情を表す。


ピピーッ!!


その時大きな笛の音が鳴り、人込みが二つにかき分けられていく。

罪人と、それを護送する兵士達である。
アサシンギルドの大幹部"ブラックベア"は、頭からすっぽりと布をかけられ、ほとんど表情を伺うことができなかった。

野次馬達はその様子を見、更に大きくざわつき始めた。


「……新聞で見た通りの、すごい気迫だぁ」


春通は、布から少しだけ見える目線から、強い意志を感じたのだろう。


「いい目をしてますね。ますます欲しくなりました」


サツキはまったく臆さない。
その"欲しい"という言葉に春通の背筋に寒気が走ったが、口に出すことはできまい。


大聖堂の中へと連れられていったブラックベア。
それに続くように、サツキは入り口に近付いていった。


「そこの女、止まれ」


しかし、当然の如く兵士に止められる。
春通はアチャーというように片手を顔に当てる。


「今大聖堂は立入禁止だ。事が終わるまで外で………っ!?」


そこまで言い終えたところで、兵士の表情が変わった。


「し、失礼しました!どうぞお通りください!」


「ご苦労様です」


挨拶を交わし、サツキはすんなりと中に通されたのだった。

ポカンとしながら一部始終を見ていた春通は、サツキの呼び声で目を覚まし、後に続いて大聖堂の中へと入っていった。


















「では、お願いします。ビスカス神父」


中では数人の兵士と二人の神父、それにブラックベアが両手を拘束された状態でそこにいた。

彼らの目の前には、毒殺されたと言われる第三王子の遺体があった。
王子の遺体には、まるで入れ墨のような黒い斑点が残っており、これが毒の影響で浮かび上がってきたと考えられよう。


"ビスカス神父"と呼ばれた男は一歩前へ出、王子の遺体に黄色い光を放つ石を乗せ、更に上から緑色の液体を垂らした。

しかし、遺体からは何も反応はない。


「……ふうむ、やはり反応がありませんね」


もう一人、後ろで見ていた神父が口を開く。


「パムブ神父よ、この通りイエロージェムストーンと緑ポーションを使いましたが、王子の遺体からは何も反応がありません」


先ほどビスカス神父と呼ばれた男は、もう一人の"パムブ神父"に声を返した。
パムブ神父はもう一度息をつき、状況を確認するように口を開いた。


「この二つのアイテムを使うことで、毒の作用で出た斑点を消すことができるはず………しかし、実際には何も反応がない」


それに続き、ビスカス神父が口を開いた。


「つまり、今までにない新毒が使われたことに間違いはない。これでアサシンギルドの言い逃れが出来ないというわけですな」


まるで勝利を確信したかのように、ブラックベアに向け不敵な笑みを見せる。


「……………」


対するブラックベアは何も語らない。
まるで最初から意味のないことだというように、黙している。



「ちょっとお待ちください」


サツキが後方の扉から現れた。
もちろん後ろには春通もいる。


「…誰だ?一般人は立入禁止のはずだが」


ビスカス神父は顔をしかめ、サツキと春通を睨む。


「お、おぉ!あなたは、オーバークリエイター!」


しかし、パムブ神父の反応は意外にも大きなものだった。
まるで先ほどの兵士と同じように。


「ご存知ないのですかビスカス神父。王直属の製薬師として世界に名を轟かせるクリエイター、サツキ殿ですぞ!」


パムブ神父は笑顔で二人を迎え入れたが、ビスカス神父は表情を変えない。


「で、そのオーバークリエイターとやらが、ここに何の用だ?」


「その検証、今一度私にやらせていただけませんか?」


サツキが一歩前に出る。
その手には、イエロージェムストーンと緑ポーションが握られており、両手に掲げて二人の神父に見えるようにしている。
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