スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ぼうがイフリート

生体編、とーりんのバトル。


続きは小説です。
弓の扱いだけなら、そこらのハンターにも引けを取らない。
自他共に認めるほどの腕を、菫吏は持ち合わせていた。

今は死者と言えど、かつて六英雄と呼ばれたスナイパーとここまで渡り合える者はそうそういないだろう。


「まずは牽制して……前に出てきたところに本命を撃ち込む…!」


王道だが確実に、相手の隙をつく作戦に出た。


だが、


ピカアァッ!


「うっ…!」


壁から一本外に出た瞬間、菫吏の目の前を強烈な光が包んだ。


「ト、トラップ…!?」


それはセシルが前以て仕掛けていたトラップ、"フラッシャー"であった。
目が潰れんばかりのまばゆさで、菫吏の視界は一気に奪われた。

しかも、相手からしてみれば、それは自分の場所を教えたも同然。


シャッ!シャッ!


直ぐさまセシルからの連続攻撃が飛んできた。


「くぅっ…!」


かすり傷を負いながら、元いた壁の後ろまで再び後退する。


「目が…開けられない……」


余りの光の強さに、しばらくは視界も回復しないだろう。

菫吏はすぐに腰に下げたポーチから、一枚の布を取り出した。
それを広げ、目を覆い隠すように装着した。


「……大丈夫、見えなくたって、できる……」


布の中央の部分には大きな瞳がプリントされている。

この"ダークネスアイズ"には特殊な効果があり、中央の瞳は装備者の視界をサポートし、第三の目として扱えるよう魔力が込められている。


後はセシルのトラップ達をどうするかである。
恐らく仕掛けられているのは今の一つだけではないだろう。


「考えろ……考えるんだ、私……」


菫吏は勝つの秘策を練り始めていた。












セシル=ディモンは万全の体勢を整えていた。

相手が近付くならばトラップに引っ掛かるように。
逃げようものなら、得意の弓で一網打尽にできるように。

念のため後ろにもトラップを仕掛けておこう。
こうすれば、例え増援がきたとしても対処ができる。


懸念されるのは、相手がなかなか姿を現さないことだ。


その時、


「ハッ!」


壁の陰から相手が飛び出してきた。


シャッ!


だが、的外れな方向へ矢を飛ばしている。
これなら避けるまでもない。


無理もないだろう。
先程フラッシャーによって視界を潰されたのだから、こちらの姿をすぐに確認できるわけがない。


矢の雨がおさまったのを確認すると、セシルは無防備に姿を晒した相手に向かい、弓を引き絞る。



「まだですよ!」


相手はもう一度矢の雨を放った。
今度は後方に大きく逸れていく。

見苦しい悪あがきだ、とセシルは感じた。

しかし、


ピキッ


驚くべきことに、自分の足元が凍り付いている。
気付いた時には遅かった。

それはセシル自身が仕掛けた"フリージングトラップ"であった。

菫吏はただむやみやたらに矢を放っていたのではない。


「掛かりましたね…!アロー……」


"矢で罠を動かし"、発動させるためだ。


「シャワーッ!!」


罠を動かすことができる数少ないスキル"アローシャワー"であった。

動けない自分を狙い撃ちにするつもりだろうか?


否、


ガガガッ!


今度は目の前にあるフラッシャーが起爆された。


ピカッ!


セシルは視界を奪われた。
しかし、その程度で撃つべき目標を見失うほど落ちぶれてはいない。


足元が凍り付いており、動けない状態ではあるが、矢を放つぐらいのことは造作もない。

光の中にいる相手に向かい、攻撃を放った。


それは、直線でこちらに向かって来る相手になら間違いなく当たるであろう、"シャープシューティング"だった。


そう、直線上にいるならば。



バッ!


「ダブル…!」


菫吏は地を蹴り、空に跳んでいた。

相手が撃つであろう場所を予測し、回避行動と共に攻撃に移る。


「ストレイフィングッ!!」


ドスッ!ドスッ!


放たれた二本の矢は的確に胸部を貫き、セシルはその場でうなだれるように絶命した。


「ハァッ…!や、やった…!」


着地し、息を切らしながらも、菫吏はガッツポーズを作った。

















「ウアアアアァァァッッ!!」


奈那留は怒り、叫びながら杖を前に構えた。

対するセイレン=ウィンザーは黙したまま、掴んでいたマスカテルフレーバーを放り投げた。


その行為に、奈那留は更に表情を強張らせ、魔法を詠唱した。


「ストーム…ガストォッ!!」


まるで極寒の地と錯覚する程の吹雪が、セイレンの前に展開される。


ゴオッ!


セイレンは足元から凍り付いていく。
しかし、当の本人はさほど焦るような顔を見せない。


「クッ…!」


奈那留は自分の魔力が底を尽きかけていることを思い知らされた。

ストームガストも強力な魔法だが、十分な威力が発揮されていない。


セイレンは上半身だけを動かし、スピアブーメランを放った。


ザンッ!


「アァッ…!」


スピアブーメランは奈那留の肩をかすり、それにより杖を手から落としてしまう。


カランカランッ



早くこの杖を拾わなくては、セイレンの次の攻撃がくる。
足元だけの凍結もそう長くは持たないだろう。

しかし、体が思うように動かない。
限界を越えて魔法力を酷使した副作用だろうか。

朦朧とする意識の中で、奈那留はマスカテルフレーバーの姿を見た。


若干だが、まだ息があるように感じ取れる。
死んでいるような肌の色ではない。


まだ助かる。



(まだ……助かる、の……に……)

















ドガァンッ!!


直後、セイレンの後方にあった壁が轟音と共に吹き飛んだ。

まるで爆発でもしたかのような吹き飛び方で、破片が飛び、煙りが立ち込める。


その煙りの中心には人が立っていた。


正確には、立っている人物と、それに掴まれ、引きずられるようにうなだれる人物の姿だ。



「…あ……」


奈那留は小さく声をこぼした。
安堵とも、注意を促すような表情とも取れる顔をして。


何にせよ、奈那留はその人物を知っているのだから。



ザッ!


煙りが晴れ始め、その人物も一歩前に出た。


「こんなとこに繋がってるとはな」


長い髪を後ろで結い、一本に纏め、腰には何本もの"製薬瓶"を下げている。

その腕に掴んでいたのは、体中を打ちのめされたような傷を負ってボロボロになった、六英雄の一人"ハワード=アルトアイゼン"だった。



「さて………」


紛れも無い、それは、



「悪い奴は、いねえか?」


世界が誇る、オーバークリエイターの異名を持つ女。
サツキにほかならなかった。
コメント

「悪い子はいねぇかぁ」
なぜか、先生が悪役に聞こえます。なぜだろう、登場シーンはとっても正義の味方なのに……。

Σ

サツキ先生が鬼すぎた!wΣ(・ω・)

とーりんも頑張ったよ!ダンサーでセシル倒すとかパナいよ!

さーて次は生体編のラストバトル、サツキさんvsセイレン=ウィンザーですよ。

サツキ先生がなまはげに・・・・

この前ニュースでなまはげがどうこう言ってるのがあって、つい影響されて使ってしまった。
後悔はしていない。
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。