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プロンテラ襲撃編1

やべえ、自分で書いててなんだけどすげえ熱い展開。

続きは小説です。
カッカッカッ


ユノンは一人城内を走っていた。
その方角は、北。


兵達は自分とは違う方向へ向かわせた。
民衆の避難は既にほぼ完了していたからである。


ユノンは考えた。
今プロンテラを襲うモンスターの中の大将は、北から来るであろうと。


戦において、敵の本陣を潰すことはもはや常識。
それを差し置いたとしても、ユノンの今まで培ってきた勘がそう教えていた。



やがて薄暗い城内を抜け、視界全体に外の景色が流れ込んできた。

ここはヴァルキリーレルム。
名のあるギルドのメンバー、または王直属の部隊だけが出入りを許された場所である。

今は兵全員が街のほうへ出陣しているため、ほぼ無人の状態だった。



「………予想通り、ですかね」


バサッ


大きな羽ばたきの音が耳に入る。

鳥にしては大きすぎるその音は、ユノンの目つきを鋭くさせ、場に緊張を走らせる。

同時に、どこまでも暗い漆黒の羽が舞った。


ユノンの上空数メートルの場所に現れたその"人影"は、ゆっくりと砦の一角に舞い降り、足をついた。



"天使"という表現が最も相応しいだろうか。
甲冑に身を包み、背中に羽を生やした姿を形容するものはそれ以外にないと言える。

全身から放つまがまがしいオーラと、漆黒の両翼さえなければ、である。



例えるならそれは、


「……"堕天使"ですかね………」


と言えるだろう。

ユノンは手にしたグランドクロスを前に構える。


舞い降りた天使は周囲を見回した後、ユノンを視界にいれた。


『……やけに静かだな。よもや城には貴様しかおらんとは言うまいな?』


とても人間のものとは思えない声で、ユノンに語りかける。


「えぇ、その通りです。今ここには私(わたくし)しかおりません」


天使の問いに、ユノンは堂々と答えた。

それを聞き、天使は呆れたように肩を竦める。


『我々魔族も舐められたものだな……たった一人でこの場所に立つことはもはや勇気ではない』


シュンッ


天使が手を前に出すと、何もない場所から大きなランスが出現した。

その切っ先をユノンに向けるように、天使は構えた。



『無謀だ』


天使の言葉に、ユノンは一切怯まない。
それどころか、余裕さえ見える表情だ。


「ふぅ……私が何故人掃いをしたか。その理由があなたには判らないということですね」


『……何だと?』


挑発とも取れるその返しに、天使は乗らずにはいられなかった。

ユノンは更に続ける。



「私以外の人間がいると、"邪魔"だからですよ」



キュイイィィンッ


ユノンの周囲に、丸くまばゆい光を放つ球が二つ出現した。


『面白い……ならばその言葉に乗ってやるとしよう。我の名は"モロクの現身"。貴様を殺し、この国を手に入れさせてもらう』


バサァッ


モロクの現身は再び翼を羽ばたかせた。



「……そういうあなたも一人で来たのだから、私と変わらないと思いますがね……」


ユノンは左右に浮かんだ双光を確認し、それを自分の周囲を纏うように展開させる。


「私はこのルーンミッドガッツ王国第十三王女、"ユノン=N=ローウェル"。正々堂々と参ります」


















(何だ……この状況は…!?)


トール火山から一足先に戻り、街で情報収集をせんとしていたアリルの目に飛び込んだのは、戦場となったプロンテラだった。

騎士団が防衛にあたってはいるが、敵の圧倒的な数の前に突破を許してしまうのは時間の問題だろう。


(一番手薄になっているのは……西か…!)


恐らく南門は数多くの兵が送り込まれているだろう。
自分は最も危うい場所から援護に回っていけば良い。


アリルは西門に向けて地を蹴った。


















「グゲッ…!」


目の前で、大きな木の怪物"ジビット"が断末魔の声をあげた。

鋭利なカタールで全身を切り刻まれ、バラバラとその場に崩れ落ちる。


「死者の軍勢…?ニブルヘイムからかな……」


カタールの装備者、アヤ=スカーレットは疑問を感じていた。


何故なら今倒した怪物達は、数年前に死者の国を滅ぼしたことで存在しえないはずだからである。


「あんまりいい状況じゃないな……」


足の不自由なアルケミストの紅を避難させることはできた。
だが、戦力の多くを外の調査に回していたため、プロンテラはもぬけの殻に近い状態である。

この街の人間ではないアヤだが、仲間がいる場所をむざむざ明け渡す気はない。


「……西に強い力が向かった…?じゃあ、私は東に行けばよさそうだね」


アリルの力を察知したアヤは、東門へ続く道を駆け出した。





「こ、こちら東門!死者の軍勢が出現!!至急応援を…ぐああああぁぁ!!」


案の定、東門はほぼ壊滅状態であった。

応援を要請した通信兵は、鎧の怪物デュラハンに無惨にも噛み殺された。


『フハハハハハッ!何だか知らんが蘇ったぞ!』


死者の軍勢の先頭で、一際大きな声をあげる者がいた。

過去の"ニブルヘイムの戦い"で、タイタン達により討伐されたはずのロードオブデスである。


『まずはこのプロンテラを手中に……ん?』


「……うわぁ、今見ると小物っぽい……」


東門前に到着したアヤは、ロードオブデスと対峙した。
過去に少し因縁がある二人。


『ホウ……覚えているぞ貴様!あの時は他の奴らに遅れを取ったが今の我の力を持ってすれば…』


饒舌に語り始めるロードオブデスをまるで相手にするでもないように、アヤは頬をかいた。


そしてカタールを前に構え、余裕を含んだ笑みを浮かべる。



「おじさん、知ってる?そういうの"しぼうふらぐ"って言うんだよ」

















『貴様…!何だその力は!?』


「……………」


声を荒げるモロクの現身を前に、ユノンはグランドクロスを再び軽く傾けた。


ズガッ!


砦の壁を貫通し、先程ユノンの周囲を舞っていた光の球が姿を現した。


バサッ!


現身は襲い来る光をスレスレのところで回避し、翼を広げて宙に飛んだ。


だが、


クンッ!


光の球はほぼ直角に軌道を変え、まるで追尾するように現身を追い始めた。


『チィッ!!』


ザンッ!


現身は迫り来る光を手にしたランスで真っ二つに引き裂いた。

対するユノンは、それを確認すると同時に再び光の球を生成した。


「デュプレライト」


『厄介な人間だ……これ程の使い手がいるという話は聞いていないぞ』


ユノンは周囲に光の球を二つ纏わせ、不敵に微笑んだ。


「王族というのは深い素性を隠す、そういうものです。さあ、次に参りましょう」


光の球は左右に飛び、現身を包囲するように浮かび始めた。


「この"双星の光・デュプレライト"は、半永久的にあなたを追い続けるでしょう。私の前で踊りなさい」


ガォンッ!


まるで空間を削り取るような凄まじい音をあげ、デュプレライトは現身に向けて飛び掛かった。



しかし、



「お姉ちゃん!!」



ユノンは初めて顔に焦りを浮かべた。
現身も恐らくそれに気付いただろう。


ユノンの妹、ヒナノ=N=ローウェルが城から姿を現したのだ。


「ヒ、ヒナノ!?あなた何故ここに…!!」


「だ、だってお姉ちゃんが心配で…!」


同時にデュプレライトは一気に減速する。

この戦闘において、ユノンが最初にして最高のスキをさらした瞬間である。



ゴオッ!!


「クッ!」


現身は直ぐさまヒナノに向けてランスを投げ付けた。


ヒナノはユノンを"姉"と呼んだ。
現身の予想が正しければ、ユノンはここで、



ザクッ!


「アァッ…!」


彼女を護ろうとするだろう。


ユノンはヒナノを庇うために自らが盾となり、その背を現身のランスが切り付けた。


「お、お姉ちゃん…!?」


「大丈夫、ですか……逃げなさい……ヒナノ…!」


背から血を流しながらも、ユノンは逃げるよう促した。


『フッ……ハッハッハッ!人間とはどこまで滑稽なのだろうな。他人を護るために自分が傷付くことも厭わない……』


現身は勝ち誇ったように笑い始めた。

もはやデュプレライトは攻撃ができず、目の前で輝きを失い、消えていった。


『せめて苦しぬよう殺してやる。二人まとめてなぁ!!』


バサァッ!


現身は再びランスを手にし、急降下を始めた。


「に、逃げ…なさい!早く…!!」


「や、やだ!しっかりしてお姉ちゃん!一緒に逃げ…」


そう言う間に、現身は距離を詰め終わっていた。
もう避けることも、逃げることもかなわないだろう。


『死ねェッ!!』


二人は重なるように抱き合い、恐怖から目を閉じた。

















「オオオォォラアアアアアァァァッッ!!」


ドゴォンッ!!


ユノンとヒナノの脇を抜け、雄叫びをあげながら現身に突進する者が一人。


『グッ…オォ!!』


現身はその人物の右ストレートを顔面に受け、凄まじい勢いで後退した。

空中で翼を広げることでなんとか体勢を立て直し、再び前を見た。


『な、何だ…!?一体どこから…!ハッ!』



ズガガガガガッ!!


有り得ない返しを受け戸惑う現身の横から、地面を"螺旋"を描くように削りながら突進するもう一人の人物。



「スパイラルピアアァーースッ!!」


『…クソッ!!』


バサッ!


その突進を、再び宙に浮くことで回避する。



「あ、あなた達は……」


ユノンは突然の来訪者に驚くと同時に、安堵の表情を浮かべる。

そう、ユノンもヒナノも、二人のことをよく知っているのだから。



「ちゃんと当ててくださいよ、副隊長」


「……まさかこれを避けられるとは思いませんよ」


チャンピオンの女と、副隊長と呼ばれた女騎士。



「シャオユウさん!ダズさん!」


ヒナノは歓喜した。

それはトール火山に向かっていたはずのダズリングと、リン=シャオユウであった。

絶望的な状況を打破し、二人は再び己が武器を構える。


「しかし、さすがザーロットさんのワープポータルだ。こんないいところに転送してもらえるなんて……」


二人は行きと同じく、ザーロットのポータルによってここまでたどり着いたのだ。


「姫はユノン様の治癒を。ここは私達にお任せください」


シャオユウは後ろの二人に指示を出し、一歩前に出た。





ギルド"WaterCarnival"の副隊長と最強の拳は、今始めて共闘をする。
コメント

No title

キター(。∀。)-!!!!!!!!
wktkすぎるゆのんたままじかっこいいですううううううううううう

それよりもヒナノの足でまといっぷりに涙が出た間違ってないけど^-^(にこっ

No title

むしろ死亡フラグはアヤだよ!

たのしそうな展開。期待ー。ひなのんはたぶん、なにかあるんだよ。きっと!

ひなのん後2つぐらい待っててもらえれば…。
アヤ△っていう展開を書くのが意外と難しい

No title

アヤさんかっこかわいくて僕興奮
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