プロンテラ襲撃編6
しばし無双をお楽しみください。
続きは小説です。
続きは小説です。
世の中は平等ではない。
腕力に富んだ者、知性に富んだ者、運に恵まれた者。
そして、"神に愛された者"。
どう言い表そうとしても、神の気まぐれとしか思えない所業を成し遂げる者がいる。
それは常人には理解し得ない、偶然の産物なのかもしれない。
ここには神に愛され、使命を与えられた一人の女がいた。
『良いですかサツキ。貴女の"戦闘神モード"の限界時間は恐らく5分。それまでに決着を付けてください』
荒野に立つクリエイターサツキは、己の内から聞こえる声を耳に入れながら、手にした白い手袋を引っ張りしっかりと装着した。
「余のサポートが心配か、フレイヤ?大丈夫だ、サツキもそれぐらいは理解しているだろう」
サツキの横に立つ異様なオーラを放つ者、スルト=レヴァンテインは言った。
『そうではありません。スルトの問題ではなく、サツキが前線で長時間戦えないという…』
くどくどと語るフレイヤに、スルトは微笑を浮かべ一息ついた。
「……まるで母親だな」
『なっ…!?』
目には見えないが、フレイヤがかなりの焦っている様子が伺える。
直ぐさま声が返ってきた。
『…わ、私は純粋に作戦の不安要素を挙げたまでで…!』
その様子に、スルトは口に手を当てて笑っている。
その時、押し黙っていたサツキが口を開いた。
「フレイヤ」
『は、はいっ!?』
サツキのかける声に、驚きながらも返事をするフレイヤ。
「5分っつったな?」
『……はい。恐らく、それ以上は貴女の体が持ちません』
フレイヤは一瞬の間を置いて答えた。
その問いの間に、サツキは体をほぐすように腕や足の柔軟をしていた。
「そうか……」
そして顔を下に向け、体勢を低く保ち始めた。
「3分で片付けてやるよ」
顔を上げたサツキは、"笑っていた"。
この上ない喜びとでもいうように、不敵に。
ゴォッ!!
次の瞬間、周囲に砂埃を巻き上げるほどの力で地を蹴り、サツキは駆け出した。
正面から包帯男"マミー"の大群が波となって押し寄せる。
先頭を走るマミーの上位モンスター"エンシェントマミー"が、サツキ目掛けて突進した。
両手を高く上げ、それを勢いよく振り下ろすのが彼等の攻撃手段である。
だが、
「三下がぁッ!!」
ドゴォッ!!
サツキはエンシェントマミーが両腕を振り上げた瞬間に懐に潜り込み、顔面を掴んだまま、仰向けになるよう後頭部を地面に減り込ませた。
相手の突進などものともしない、サツキの腕力がいかに強力か伺える。
「次ぃっ!!」
まるでその声に答えるように、次のマミーがサツキに攻撃を仕掛ける。
パシィッ!
その突進を避け、低い体勢から足ばらいをする。
突進の勢いのまま足を取られたマミーは、サツキの横を通り過ぎるように転ぶ。
ガシッ!
はずだった。
「オオラアアアァァッッ!!」
ブォンッ!!
サツキはマミーの足を掴み、空中で振り回した後、前方の大群へ向かって投げ飛ばした。
ドドドドドッ!!
それだけでも数十体のマミーが巻き込まれ、薙ぎ倒されていく。
とは言え、相手の大群も十や百単位の数ではない。
まとめて複数を一掃出来るような手段があれば、それも楽になるだろうか。
サツキは周囲を見回した。
「………おっ…」
その目線が一本の"大木"に止まった。
ニヤァ
目を細め、唇を吊り上げるようにして笑うサツキ。
ダッ!
次の瞬間、大木へ向かって地を蹴った。
そしてスルトのほうを見、大きく口を開いた。
「今だ!援護頼むスルト!!」
その言葉を聞き、スルトもニヤリと笑う。
「余に命令するなぞ……二千年早いわぁッ!!」
ゴオォウッ!!
スルトが手を前に出すと、爆音と共に地面から炎の壁が出現した。
それはサツキへと迫るマミー達をいとも簡単に焼き払った。
「アチチッ!ちきしょう、俺まで焼く気か!!」
文句を言いつつも、表情は喜びに溢れている。
スルトのこの上ない援護により、サツキは数秒後に大木の目の前まで接近していた。
シャンッ
腰のポーチから小さなナイフを取り出す。
「持っててよかったウィーダーナイフ!」
バッ!
言葉と共に、大木の幹の中間まで勢いよく跳びはねる。
ザシュッ!ザシュッ!
そして幹に対して短剣を横薙ぎに一降りし、着地と同時に根本の幹を切り裂いた。
「あらよっと!」
バゴォッ!!
そして大木の幹に腕を回し、"幹だけを引き抜いた"。
ドドォンッ!
当然、枝分かれを始める大木の上部は地に落下し、轟音をあげる。
更にサツキはその幹を軽々と振り回し、己が体に合うかを確かめ始める。
ブォンッ!ブオンッ!
そう、これで武器は完成した。
直径1m、長さ20mはあろうかという"巨大な棒"という武器が。
ドドドドドッ!
炎の壁が弱まり、後続のマミー達が次々とサツキに迫る。
サツキは手にした巨大な武器を両手に持ち、大きく振りかぶった。
「オオオオオッ!!」
グオッ
マミー達はそれに一瞬怯む。
自分達を覆い尽くすような巨大な影に。
「ッラアアアアァァッッ!!」
ドッゴオオォンッ!!
巨大な棒は振り下ろされ、マミー達を押し潰す。
「フンッ!」
そしてサツキは両腕に力を込め、そのまま棒を横薙ぎにはらった。
ドガガガガガッ!
マミー達は次々と大木に轢かれ、薙ぎ倒されていく。
圧倒的な力の前に、包帯男達はもはや成す術がない。
「オラァッ!どうしたぁ!こんなんじゃ物足りねえぞ!!」
『……………』
もはやどちらが悪役か分からない程である。
フレイヤは内心で頭を抱えていた。
対するサツキは、満面の笑みを浮かべていた。
もちろん、不敵に。
腕力に富んだ者、知性に富んだ者、運に恵まれた者。
そして、"神に愛された者"。
どう言い表そうとしても、神の気まぐれとしか思えない所業を成し遂げる者がいる。
それは常人には理解し得ない、偶然の産物なのかもしれない。
ここには神に愛され、使命を与えられた一人の女がいた。
『良いですかサツキ。貴女の"戦闘神モード"の限界時間は恐らく5分。それまでに決着を付けてください』
荒野に立つクリエイターサツキは、己の内から聞こえる声を耳に入れながら、手にした白い手袋を引っ張りしっかりと装着した。
「余のサポートが心配か、フレイヤ?大丈夫だ、サツキもそれぐらいは理解しているだろう」
サツキの横に立つ異様なオーラを放つ者、スルト=レヴァンテインは言った。
『そうではありません。スルトの問題ではなく、サツキが前線で長時間戦えないという…』
くどくどと語るフレイヤに、スルトは微笑を浮かべ一息ついた。
「……まるで母親だな」
『なっ…!?』
目には見えないが、フレイヤがかなりの焦っている様子が伺える。
直ぐさま声が返ってきた。
『…わ、私は純粋に作戦の不安要素を挙げたまでで…!』
その様子に、スルトは口に手を当てて笑っている。
その時、押し黙っていたサツキが口を開いた。
「フレイヤ」
『は、はいっ!?』
サツキのかける声に、驚きながらも返事をするフレイヤ。
「5分っつったな?」
『……はい。恐らく、それ以上は貴女の体が持ちません』
フレイヤは一瞬の間を置いて答えた。
その問いの間に、サツキは体をほぐすように腕や足の柔軟をしていた。
「そうか……」
そして顔を下に向け、体勢を低く保ち始めた。
「3分で片付けてやるよ」
顔を上げたサツキは、"笑っていた"。
この上ない喜びとでもいうように、不敵に。
ゴォッ!!
次の瞬間、周囲に砂埃を巻き上げるほどの力で地を蹴り、サツキは駆け出した。
正面から包帯男"マミー"の大群が波となって押し寄せる。
先頭を走るマミーの上位モンスター"エンシェントマミー"が、サツキ目掛けて突進した。
両手を高く上げ、それを勢いよく振り下ろすのが彼等の攻撃手段である。
だが、
「三下がぁッ!!」
ドゴォッ!!
サツキはエンシェントマミーが両腕を振り上げた瞬間に懐に潜り込み、顔面を掴んだまま、仰向けになるよう後頭部を地面に減り込ませた。
相手の突進などものともしない、サツキの腕力がいかに強力か伺える。
「次ぃっ!!」
まるでその声に答えるように、次のマミーがサツキに攻撃を仕掛ける。
パシィッ!
その突進を避け、低い体勢から足ばらいをする。
突進の勢いのまま足を取られたマミーは、サツキの横を通り過ぎるように転ぶ。
ガシッ!
はずだった。
「オオラアアアァァッッ!!」
ブォンッ!!
サツキはマミーの足を掴み、空中で振り回した後、前方の大群へ向かって投げ飛ばした。
ドドドドドッ!!
それだけでも数十体のマミーが巻き込まれ、薙ぎ倒されていく。
とは言え、相手の大群も十や百単位の数ではない。
まとめて複数を一掃出来るような手段があれば、それも楽になるだろうか。
サツキは周囲を見回した。
「………おっ…」
その目線が一本の"大木"に止まった。
ニヤァ
目を細め、唇を吊り上げるようにして笑うサツキ。
ダッ!
次の瞬間、大木へ向かって地を蹴った。
そしてスルトのほうを見、大きく口を開いた。
「今だ!援護頼むスルト!!」
その言葉を聞き、スルトもニヤリと笑う。
「余に命令するなぞ……二千年早いわぁッ!!」
ゴオォウッ!!
スルトが手を前に出すと、爆音と共に地面から炎の壁が出現した。
それはサツキへと迫るマミー達をいとも簡単に焼き払った。
「アチチッ!ちきしょう、俺まで焼く気か!!」
文句を言いつつも、表情は喜びに溢れている。
スルトのこの上ない援護により、サツキは数秒後に大木の目の前まで接近していた。
シャンッ
腰のポーチから小さなナイフを取り出す。
「持っててよかったウィーダーナイフ!」
バッ!
言葉と共に、大木の幹の中間まで勢いよく跳びはねる。
ザシュッ!ザシュッ!
そして幹に対して短剣を横薙ぎに一降りし、着地と同時に根本の幹を切り裂いた。
「あらよっと!」
バゴォッ!!
そして大木の幹に腕を回し、"幹だけを引き抜いた"。
ドドォンッ!
当然、枝分かれを始める大木の上部は地に落下し、轟音をあげる。
更にサツキはその幹を軽々と振り回し、己が体に合うかを確かめ始める。
ブォンッ!ブオンッ!
そう、これで武器は完成した。
直径1m、長さ20mはあろうかという"巨大な棒"という武器が。
ドドドドドッ!
炎の壁が弱まり、後続のマミー達が次々とサツキに迫る。
サツキは手にした巨大な武器を両手に持ち、大きく振りかぶった。
「オオオオオッ!!」
グオッ
マミー達はそれに一瞬怯む。
自分達を覆い尽くすような巨大な影に。
「ッラアアアアァァッッ!!」
ドッゴオオォンッ!!
巨大な棒は振り下ろされ、マミー達を押し潰す。
「フンッ!」
そしてサツキは両腕に力を込め、そのまま棒を横薙ぎにはらった。
ドガガガガガッ!
マミー達は次々と大木に轢かれ、薙ぎ倒されていく。
圧倒的な力の前に、包帯男達はもはや成す術がない。
「オラァッ!どうしたぁ!こんなんじゃ物足りねえぞ!!」
『……………』
もはやどちらが悪役か分からない程である。
フレイヤは内心で頭を抱えていた。
対するサツキは、満面の笑みを浮かべていた。
もちろん、不敵に。
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