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三国戦争編6

過去編その1終わり。

次はまっちんのバトルだな。


続きは小説です



「ハァッ!」


ズバァ!


「ぎゃあぁっ!」


ジルの放つ剣撃に一人、また一人と倒れていく。


「ヌゥンッ!」


ズガァッ!


そのすぐ傍で、ネオの振るう槍にも次々と吹き飛ばされていく者達。


ここはプロンテラ周辺で悪事を働いていた山賊達の根城である。

ジルとネオは小数の部隊を率い、この山賊の鎮圧の任についていた。


「やるな、ネオ!」


「貴殿こそ!」


声を掛け合う二人は、共に戦える仲間、背を任せられる友ができたことに嬉しさを感じていた。

ジルはプロンテラ騎士団総隊長に任命され、父親の後を継いだ。職業は、王国初のルーンナイトに。
ネオは副隊長となり、ジルを支える存在となっていた。職業は、こちらも王国初となるロイヤルガードに。



会話を交わす二人の周囲を、大勢の山賊達が囲み始めた。


「一気に決めるぞ、ネオ!」


「言われなくとも!」


二人は手にした武器に力を込めた。


「イグニッション!」


「オーバー!」


武器が輝くと同時に、周囲をまばゆい光が包み込んでいく。


「ブレェーイクッ!!」


「ブランドオォーッ!!」


ドガガガガガンッ!!


ジルが巻き起こす炎の爆発と、ネオの放つ衝撃波で、周囲の山賊達を一掃する。



山賊の根城を鎮圧することに完了した騎士団は、圧倒的な力を周囲にしらしめ、王国に帰還した。






しかし、事件はその後すぐに起きた。



「なっ…!それは本当か!?」


ジルは伝令兵の言葉を聞き、我が耳を疑った。


「ユノン様とヒナノ様が…さらわれただと!?護衛兵は何をしていた!!」


今更言っても仕方のない事だろう。
しかし、ジルは行き場のない怒りをぶつけずにはいられなかった。


「申し訳ありません!護衛兵が目を離した一瞬のスキをつかれてしまい…!」


「くそ…!言い訳は後で聞く!相手は何者だ!?」


更に声を荒げるジルの前に、伝令兵から一枚の紙が手渡された。

そこには、以前鎮圧したと思われる山賊の言葉が書かれていた。


「二人を返して欲しくば…一人で指定の場所に来いだと…!?上等だ、山賊風情が!仕返しとはいい度胸だ!!」


「恐れながら…もう一つお伝えすべきことが!」



兵の次の言葉に、耳を疑った。



ジルの父親が"単身で指定場所へ向かった"という報告に。



















「ハァッ!ハァッ!」


ジルは焦っていた。

山賊達は全て殲滅したはずだった。
恐らく逃げおおせた者が少数いたのだろう。


それはジル本人の不始末に当たる。
父もそれに気付いていたのだろう。


「ハァッ!父さん…何故一人で…!」


勿論ジルは単身で向かっていたが、ネオに周辺の包囲を任せている。

準備は万端だろう。



視線の先に、山賊達の指定の場所が見えてきた。


遠目に小さくだが、手を縄で縛られた父と、ユノン、ヒナノ両名の姿が確認できる。


「父さん!ユノン様、ヒナノ様!今参ります!!」


シャンッ!


腰に挿した剣を引き抜き、奇襲をかけんとする。


しかし、


「なっ…!?」


周囲を取り囲む山賊達の一人が剣を取り出し、身動きの取れない父の前でそれを振りかぶっている。


ジルの背筋に、悪寒が走った。


この距離では間に合わない、と。



「や、やめろおおおおぉぉぉっ!!」


力の限り叫び、注意を引き付ける。
山賊達は目に見えて焦りを浮かべている。



その時、父が一瞬こちらを見たように思えた。



ザンッ!



無惨にもその剣は振り下ろされ、父は倒れた。



「あ、あっ……」


ユノンとヒナノが何かを叫んでいる。


それを聞き取る余裕すら、ジルにはなかった。




「ウワアアアアアアアアッッ!!」


ジルは剣を握る腕に最大限の力を込め、山賊達に突進していった。



















「ジル!無事か!?」


ジルは定刻までに連絡がなければ、突撃をかけるようネオに指示を出していた。

駆け付けたネオが見たのは、飛び散る血や焼けた地面が広がる無惨な光景だった。


ネオはその真ん中に佇むジルに近寄る。


「おい!ジル!……っ!」


肩を掴んだネオは、その向こうに転がる死体の山と、その中にジルの父親の姿があることを確認した。


「ま、まさか……元騎士団長殿が………ユノン様とヒナノ様は…!?」


ショックを隠し切れぬ事態を目の当たりにしたと同時に、ネオは連れ去られた二人の王族の安否を聞く。

肩を掴まれていたジルが、ゆっくりと振り返った。


「……大丈夫だ。二人とも、無事だ……」


ジルが顔を向けた視線の先に、木にもたれ掛かりながら気絶する二人の姿があった。

いくばくかの安堵を顔に表し、すぐにネオは振り返る。


「二人を保護しろ!城に帰って無事を伝えろよ!」


「はっ!」


ネオの指示で、ユノンとヒナノが兵士達に保護されていった。



「……ジル………」


「……………」


未だに呆然と立ちすくむジルに、ネオは小さく呼び掛けた。


ネオにも理解できたのだろう。

ジルの父は、自分の娘の不始末を片付けにきたのだと。



「……気に病むな。貴殿のせいではない」


「……………」


今のネオにかけられる言葉は、それしかなかった。



長い間、ジルはそこから動こうとしなかった。

いや、動けなかったのだろう。

自分の目標として追い続けてきた背中であり、掛け替えのない家族を失った悲しみと、自分への後悔から。







その後、ジルは騎士団を脱退した。
昔から体の弱かった母の面倒を見るためだったという。


しかし、その母もすぐに病気で亡くし、身寄りもなくなったジルは、プロンテラから姿を消した。


そして、二度と王国に戻ってくることはなかった。

















「そんなことが……」


ネオの話を聞き、ダズは表情を暗くする。


「しかし……そのお父上は名誉の戦死です。王国を敵視する理由になりましょうか…?」


「……この話には裏があってな。確かな話がどうかはわからんが……」


ダズの質問には答えず、ネオは続けた。




どうやら、プロンテラはその事件を揉み消そうとしたらしい。

山賊を取り逃がしたジルの不始末はさることながら、そのたかが山賊に騎士団の元総隊長がやられたとなれば、信用を失いかねない。


王族の二人を救った英雄に与えられる栄誉は無く、それどころか周囲から蔑まれる毎日であったという。



ジルは恐らく、そんな王国に嫌気がさしたのではないか、とネオは言う。




「奴は、国への怨念に取り付かれている。絶対に止めねばなるまい」


「……はい」


ネオは身を起こし、ダズのほうを見た。


「ジルは、我が倒す。そして、この手で意地でも粛正してやる。貴殿には援護を任せたい」


ネオは握った拳に力を込め、前に出した。


「はい。必ず、勝ちましょう」


ダズもそれに答え、拳を前に出した。
拳と拳を軽くぶつけ合い、互いの顔を見る。





間もなく、ルーンミッドガッツ王国本隊と、アルナベルツ教国本隊の正面衝突の戦いが始まろうとしていた。


それぞれの思いは交錯する。
コメント

No title

!?('A`)
うちのRGがなんかカッコイイんですけど!

読むの早っ!ねおさんの今後の活躍にご期待ください

No title

人が死ぬ話にはドラマ性がある・・・
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