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三国戦争編9

ついに正面衝突開始。


続きは小説です。
ドドドドドドドドッ!!


土煙をあげ、前方から大群が押し寄せる。


「前方にアルナベルツ教国軍を確認!!先頭にいるのは…ジル=フィザットです!!」


双眼鏡を使い、大群を確認した兵士が叫ぶ。


その言葉を聞き、ルーンミッドガッツ王国軍総隊長、オオニシ=ネオはグリフォンに跨がり、一歩前に出た。


「皆の者よく聞け!我らは誇り高き王国の騎士!!小細工はろうさぬ!!正面から奴らを叩き潰す!!!」


シャンッ!シャンッ!


ネオの言葉を聞き、王国軍の兵士達は次々に己が武器を鞘から引き抜き、構える。


「恐れるな!!戦え!!最後に勝利するのは我らだ!!!」


手にした武器"聖槍ロングホーン"を前に、ネオは大きく息を吸い込む。



「全軍!!突撃イイイイイイィィィッッ!!!」



オオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!



兵達が雄叫びをあげ、突撃を開始する。

ネオは先頭上空をグリフォンで滑空し、先行する。


「ダズ!着いて来い!!」


「はっ!」


ダンッ!


ネオの指示が出た瞬間、ダズは全力で地を蹴り、本隊の先頭に一気に踊り出た。

仮にも周囲はペコペコに乗った騎士達だというのに。



空中はネオが、地上はダズがそれぞれ先行し、アルナベルツ教国軍へと突撃する。




















「やはり来たか!ネオッ!!」


グリフォンに跨がるその姿を確認し、アルナベルツ教国軍総大将、"ジル=フィザット"は叫ぶ。


「貴様が空にいるということは…地上ががら空きということだ!!」


ジルは不敵に笑い、己が跨がるドラゴンに指示を出した。


「後悔するがいい!!ドラゴンブレスッ!!」


ゴオオオオォォッ!!


ドラゴンは頬を膨らませ、次の瞬間"紫色の炎"を吐き出した。

ドラゴンを使役するルーンナイトだけが扱える、超広範囲攻撃である。


炎は瞬く間に横に大きく広がり、王国軍を正面から焼き殺さんとする。




「ダアアアアァァズッッ!!」


炎に当たらぬ位置にいるネオだったが、下を走る味方達に助太刀しようともしない。

ネオは名を叫んだ。



そう、下には彼女がいるのだから。



「アアアアアアアァァーーッッ!!」


ダズは手にした剣を肩に担ぐように大きく振りかぶり、猛烈な勢いで振り下ろした。



「ストーム…ブラストオオオォォーーッッ!!」


ズオオオオオォォッ!!


ダズの前方に衝撃波が巻き起こり、ドラゴンブレスと衝突した。


「な…にっ!?」


ジルは驚愕した。

自分の技が、ネオ以外の者に打ち消されたということに。


しかし、彼女は笑った。


「いい兵を連れているようだな!そうでなくては面白くないぞ!ネオ!!」



やがて本隊同士の距離は縮まり、今まさに両軍は正面衝突しようとしていた。




「ジルウウゥーーッッ!!」


「ネオオオオォーッッ!!」


ガキィンッ!!


空からネオが奇襲をかけ、ジルはそれを受ける。

互いの武器がぶつかり合い、大きな金属音を響かせる。



「貴様は我が粛正する!!絶対に!!」


「私に勝てると思っているのか!!身の程を知れ!!」


キンッ!キィンッ!


空を制しているネオにジルは負けず劣らず、鍔ぜり合いを繰り返す。


ドドドドドドッ!!


トップ同士の戦いを横目に、アルナベルツ教国軍がそれを避けるように抜けていく。

恐らくジルも一騎打ちをすべく、命令を出していたのだろう。



「全軍!ペコペコ隊を前に突撃!!私が先行します!!」


ダズが指示を出し、更に前に踊り出た。


「ハアアアアアァァッ!!」





王国軍と教国軍の、運命を分かつ戦いが始まった。





















アルナベルツ教国のラヘルへと訪れたタイタンは、先ずは教皇と話をすべく宮殿内に侵入を果たしていた。


「さて、俺のアイドルはどこに……おっ」


その視界に、玉座に座る小さな少女の姿が見えた。
横には神官と思わしき初老の男が立っている。


初老の男に、教皇の少女が何やら問い詰めている。


「外が騒がしいぞ。何か起こっているのではないのか!?」


(……どういうことだ…?)


教皇の言葉に、タイタンは疑問を抱く。

その言葉には神官が答えた。


「大丈夫ですよ。フレイヤ様への"お祈り"に大勢の者が集まってくれただけです」


「……いつもとは違う雰囲気じゃった。宮殿内の兵が少ないのと何か関係があるのではないのか!?」


教皇は更に声を荒げる。

しかし、男は表情を変えず、笑みを浮かべたまま答えた。


「教皇様は何も心配なさらずとも大丈夫ですよ。そう、何も……」


(なるほど、な……)


タイタンは小さく笑い、考えた。



やがて男が部屋から去り、教皇は小さく溜息をついた。



「よっ」


「!?」


ハイディングを解除し、物陰からタイタンが現れたことに、教皇は面食らっていた。


「お、お主…タイタ…!」


「シーシーッ!」


教皇が大きな声を出そうとしたので、タイタンは人差し指を口にあて、それを制した。

タイタンの顔を見る教皇の目が輝き始める。


「よくぞ参った……また冒険の話を聞かせてくれるのか?」


「いや、すまない。今回は別件で、教皇様に聞きたいことがあってきたんだ。あと、俺がここにいることは内緒だぞ?」


満面の笑みを浮かべる教皇は、タイタンの言葉に頷いて返した。




タイタンはそこでアルナベルツ教国の現状を知る。


政治そのものは全て神官達によって行われていて、今回の戦争に教皇は無関係であったということ。

そして、一部の神官達に不穏な噂がたっていたということを。



「大体わかった……ありがとな、教皇様」


一通りの話を聞き終え、タイタンは立ち上がった。


「も、もう行くのか…?」


教皇は至極残念そうに表情を暗くし、タイタンを見る。


彼女はこの宮殿から出たことがない。

冒険者を呼び、旅の話を聞く機会は数多くあったが、タイタンの話はその中でも格別面白かったとのこと。
気に入られてからも、タイタンは何度かここに足を運んでいたようだ。

そういった存在が、彼女の中の支えになっていたのかもしれない。



「ごめん…ちょっと今は急ぐんだ。じゃあ、ここで話したことも内緒にしてくれな?」


「う、うむ……」


顔を下げ、別れを悲しむ教皇の頭に、タイタンは優しく手をおいた。


「また来るよ、絶対。約束だ」


その言葉を聞き、彼女に再び笑顔が戻った。





タイタンは内に秘めた怒りを、そこでは決して表さなかった。


"オッドアイの少女"は、タイタンが再び闇に消えるまで、ずっと静かに見送っていた。
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誰だこのけしからんロリコン影葱は。
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