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三国戦争編11

次は恐らく過去編かな。


続きは小説です。


「……クソッ!」


タイタンは苛立ちを隠せなかった。

目の前には縄で縛られ、気絶した神官がうなだれている。


先程教皇と話をしていた者だと推測できる。


「何が"もう手遅れ"だ……ようは黒幕をブッ潰せばいい話だろ」


タイタンは教皇との話の後、神官を捕え、内情を聞き出した。


予想の通り、ラヘルの神官達が裏で暗躍しており、この戦争が仕組まれたものであることを知る。

宮殿の地下では、負の力を集めて増幅させる機械が稼動しており、それにより"ある古代兵器"を復活させる計画が進んでいたとのこと。


また、その機械は強力は守護者に阻まれており、それを倒さなければ動きが止まらないという。

タイタンの言った"黒幕"とはそのことである。


「守護者だか何だか知らねえが、この能力を試すにはいい機会だな……」


彼は笑っていた。

そして、宮殿の中心へと向かう道を歩み始める。





















「オオオオラアアアアァァッ!!」


ドゴォッ!!


先陣を切り、特攻をかける騎士が、回し蹴りで吹き飛ばされる。


サツキは迫り来る軍勢を次々に薙ぎ倒し、自身前へと進んでいっていた。

まるでどちらが前へと進行していたのか判らないほどに。


「か、囲め!体勢を立て直すんだ!!」


グランペコに騎乗した一人の騎士が指示を出す。

すると歩兵部隊が瞬く間にサツキの周囲を囲み、退路を塞いだ。


「……さすがだな。動きが早いじゃねえか」


余裕はあれど、油断は微塵もしないという表情である。


サツキは直ぐさま腰のポーチからフラスコを取り出した。

中では何やら植物らしきものが入っているのがわかる。


「死にたくねえ奴は耳ィ塞げよッ!!」


バリンッ!


サツキはそれを地面にたたき付け、中身を飛び散らせた。


すると、先程フラスコ内に見えた植物が"じたばたと動き始めた"。



ギャアアアアアアアアアアアアアッッ!!!



同時に、それはとてつもない叫び声をあげる。
咄嗟に耳を塞ぐ者が大半だったが、時既に遅し。

鼓膜を破らんばかりの叫び声に、次々と倒れていく兵達。



サツキは声がおさまると、いつの間にかつけていた耳栓を取り、一息ついた。


「"ハウリングマンドラゴラ"。流石にこれ聞いて立ってられる奴はいないだろうな……」


その声を聞いた者は死に至ると言われる、呪いの植物"マンドラゴラ"を媒介とする技。

当然の如く、周囲の兵達は白目を向いている。


「まっ、これは改良(改悪?)版だ。死にはしねえけどな」


サツキは笑い、次に前を見、その目付きを変えた。



ズゥンッ!


崖の上から、"何か"が降ってきた。

それは人の姿をし、巨大な斧を担ぐ者。




「やっと……やっと会えたなサツキ…!!」


その表情は恍惚としていながら、全身からは殺意を剥き出しにしている。

"瀬戸 誠"は不気味に笑い、サツキを見つめた。


「そうか、俺は会いたくなかったけどな」


相対する男にまるで興味がないというように、サツキは誠の言葉を一蹴する。

それは誠の精神を逆なでし、怒りを顕にさせる。


「……お前は……お前はいつもそうだ」


ビキビキッ


手にした斧が折れんばかりの力を込め、腕から血管を浮き上がらせる。


「いつも僕より上を行き……僕をせせら笑う……」


ゴオオォォッ


嵐斧ハリケーンフューリーから風が巻き起こり、対峙するサツキの髪を舞わせる。


「そんなところが……一番嫌いなんだよッ!!!」


ドオッ!!


誠が地を蹴り、サツキに襲い掛かる。


「…へっ!知るかよ!!」


ゴオッ!!


サツキもほぼ同時に地を蹴り、二人は正面衝突する。


「ダアアアアアァァッッ!!」


「ラアアアアアアァッッ!!」


ドガオオォンッ!!


誠が振り下ろした大斧を、サツキは両腕で受け止める。

二人を中心に地がめくり上がり、突風が吹き荒れる。


ビリビリッ!


サツキの手に装着していたグローブが破け、肌を露出させていく。

空を切るような鋭い風は、周囲の岩盤すら砕いている。



「相変わらずの…馬鹿力がッ…!!」


誠は武器を手にしているにも関わらず、サツキは素手でそれに立ち向かっている。


互いに驕りはない。

力と力の、全力のぶつかり合いがそこにあった。



ニヤッ


サツキは笑った。

それは余裕からではない。



「今ダアアアァッ!!」


ゴオオォッ!!



信頼という名の、


「ハルツゥーーーッ!!」


「デヤアアアアアァァッッ!!」



深い絆だった。



「修羅身弾ッッ!!」


ドゴオオォンッ!!


崖上から飛び下りた勢いをそのままに、春通はその身をオーラに包ませ、誠が手にする大斧に向かい弾丸のように体当たりした。



バキィンッ!!


「なっ…!?」


伝説の嵐斧ハリケーンフューリーは、その一撃を受け砕ける。


突如横から加えられた爆発的な力は、いかに強度な武器といえど破砕する。

サツキと春通の、息のあったコンビネーションだからこそ成せる技だったのだろう。



ダンッ!


武器を失った誠は後方に飛び去る。


サツキと春通はすぐさま体勢を立て直した。


「どうした、マコ。武器がなきゃなんもできねえのか?」


それをサツキが更に煽る。

誠は先程とは違い、怒りを顕にする様子はない。


「……まさかこの斧が折られるとはな……春通、お前も強くなったんだな」


「まこ……もうオイラはお前と戦いたくないぞ……」


「おい、無視かよ」


誠は春通を見、少しだけ表情を和らげた。
恐らくそこに嫉妬や畏怖、怒りの念は存在しないのだろう。


あるとすれば。



「サツキ」


「…何だよ」


誠はサツキに向き直り、その名を呼ぶ。


「僕はこの数年、お前を倒し、越えることだけを考えて生きてきた」


ガシャンッ!


誠は腰に装着していた"機械"を稼動させる。


「今この時が、僕の待ち焦がれた瞬間だ」


ガシャッ!ジャキッ!


「……………」


それは誠の右腕に装着され、篭手のように包み込む。

特殊職"ガンスリンガー"達が扱う"銃火器"を思わせるものであった。


「僕のもう一つの名を教えよう、サツキ」


誠は銃口をサツキに向け、再び口を開いた。



「"炸薬交響曲/ショットガンインパルス"。これが機械という力を与えられた僕の二つ名だ」


力を前に、世界唯一のメカニックは不敵に笑う。


「……物騒な呼び名だな」


小さく呟くサツキ達に、引き金はゆっくりと引かれる。
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