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三国戦争編13

マツリVSアリル、ついに決着へ。

続きは小説です。



ゴゴゴゴゴゴゴッ!!


「な、なに…!?」


遠くから響く地鳴りを体に感じ、マツリは後方を見る。


「あれは…とーりんのいる方向…!?」


先程約束を交わした仲間の安否が気遣われる。

焦りが顔に出ているのが自分でも判る。


ブンブン!


しかし、マツリはすぐに顔を左右に大きく振り、集中力を研ぎ澄ました。

互いを信じてここに立っている以上、彼女の覚悟を無駄にするわけにはいかない。


「待ってて、とーりん……必ず迎えに行くから!!」


対峙するのはシュバルツバルド共和国軍隊長"アリル=パティシア"である。
一瞬の油断すら勝敗を分かつことに成り得るのだから。



マツリとアリルは戦いつつも少しずつ移動をし、気が付けば深い谷に囲まれた平野へと出ていた。

ここには古代兵器が眠ると言われる地下都市"ジュピロス"があり、研究者達の間で今でも調査が進められている。


つまり、一歩間違えれば谷底へと落下しかねない危険な戦いへとなっていた。


「他所の心配をするほど余裕があると見えるな!マツリ!」


ゴォッ!!


アリルの手から火属性の力を持ったスペルフィストが放たれる。


「…っ!藍月!!」


跨がるウォーグ"藍月"に指示を出し、その炎を横に跳びのける。


そしてマツリは顔をあげ、次の攻撃を警戒した。



ゾクッ!


しかし、背筋が凍るような悪寒と共に、アリルは"両手を合わせ"何かの魔法を放った。

白く、しかし赤にも青にも見える波動がこちらに向かってくる。


「あ、藍月!"あれに触れちゃダメ"!!避けてっ!!」


狩人としての勘が、そう告げていた。



ガォンッ!!


彼女が避けた地面を、凄まじい音をあげて波動が通過する。

その跡を見、マツリは驚愕した。


「じ、地面が……削られた…?」


まるで"空間を削り取った"ように、凄まじく滑らかな窪みがそこには出来上がっていた。


アリルのほうを向き直ると、両手にそれぞれ"炎と氷の呪文"を完成させる姿があった。

彼女は笑みを浮かべ、マツリを見る。


「マツリ……相反する魔法を、"まったく同じ力で合わせて放つと"何が生まれると思う?」


アリルはおもむろに問い掛けた。

マツリに魔法の知識はない。
彼女もそれが分かっていて聞いているのだろう。


すぐに答えは明かされた。



「答えは……"無"だ」


グオッ!


アリルは両手の魔法を再び合わせる。
すると、まるで手の平に"歪んだ空間が出来るように"、白い光りが生まれた。



「これが私の編み出した魔法。本当の"ツインスペルフィスト"だ」


ガオッ!


アリルは再びその光を放った。


触れればそれを"無"へ帰す。
恐るべき高等魔法だった。


「クッ…!」


シャッ!


マツリはその光に向け、矢を放った。

しかし、


ジュッ!


効果があるはずもない。

威力を殺されるどころか、矢は光に触れた瞬間、蒸発するかの如く消滅した。


バッ!


すぐに藍月は横に大きく跳び、それを避ける。

打ち消すことの出来ない、最強の魔法であることは間違いない。


(でも、それなら…!)


マツリはすぐに腰に下げたトラップボックスに手をつけた。


「…っ!」


アリルはすぐに警戒した。


ババッ!


マツリは箱の中身のトラップをそこら中に仕掛け始めた。


その狙いはアリルにすぐ見破られるだろう。

しかし、それはツインスペルフィストの"最大の弱点"がそこにあるからである。


マツリはそれを看破し、一つの結論を導いた。


ドガアァンッ!!


ばらまかれたクラスターボムが次々と爆発し、土煙りをあげる。


物体に触れることで直ぐさま詠唱を完成させる技術を持つアリルだが、ツインスペルフィストは魔法を合わせる一瞬の時間が必要となる。


"その時間すら与えないほど"、



「"攻撃をし続ければいい"!!」


ドォンッ!ドゴォンッ!


「クソッ…!」


アリルは言葉を吐き捨て、迫り来る爆風から逃げるように後方へ跳び下がる。



そう。

"それもマツリの狙いだった"。


「ウォーグ…ストラアアァァイクッ!!」


ブォッ!


クラスターボムのあげた土煙りを掻き分け、ウォーグに跨がるマツリが突進する。


「何っ…!?」


ドゴオッ!!


アリルは咄嗟に両腕でガードするが、勢いを殺し切れず更に後方へ吹き飛ぶ。



彼女が吹き飛んだその先にあるのは、"底の見えない谷"。


アリルは真っ逆さまに谷へと落下していく。

だが、彼女は伊達にセージキャッスル始まって以来の天才と呼ばれていない。
魔法を駆使することで、難無くそれを昇ることも出来るだろう。


「この程度で……死ぬと思うんじゃないよっ!!」


アリルはまるで時間稼ぎのようにあしらわれる感覚に苛立ちを覚えた。

そして直ぐさま崖上にいるマツリを追い掛けるために、魔法の詠唱を開始した。




だが、ふと上を見上げ、アリルは詠唱中の口が開いたまま塞がらなくなる。


「……あ…?」


その崖上にいるはずのマツリが、


ダンッ!


「ああぁっ!?」


あろうことか、ウォーグから飛び降り、"自ら谷へ落下してきた"のだ。



「ダブルストレイフィングッ!!」


落下しながらも、弓を射る技術を持つマツリには感服する。

しかし、現状はそれどころではない。
彼女は魔法の技術などなく、ましてや空を飛ぶレンジャーなど聞いたことがない。



「何を考えてるんだ…!?お前は!!」


マツリの意図は全く掴めないが、攻撃は防がなければならない。


ゴオォッ!


アリルはバキュームエクストリームを発動し、矢の軌道を逸らすと同時に、自分とマツリを竜巻の中に閉じ込めた。


これで、形勢は圧倒的にマツリが不利な状況となる。

弓は無効化されるが、アリルの攻撃はしっかりと届く。



誰もがアリルの勝利を確信する状況であり、自身それを疑う余地がなかった。




それは、



「デエェェトオォォォ…!!」


マツリが、"弓を使うならば"、である。



「ネェェイタアアアアァァーーッッ!!!」


ドゴオォンッ!!


突如マツリが放った"デトネイター"により、トラップが起爆し、竜巻の中で爆発を起こす。


それは、"マツリのすぐ後ろで起こった爆発"であり、



「ヤアアアアアアアァァァッ!!」


「な、何だとおぉっ!!?」


マツリは爆風と共に、アリルの場所まで"空中を吹き飛んできた"のである。


彼女は既に弓など持っていない。


掲げるのは、己の"拳"。



ドゴアァッ!!


「がっ…!」


マツリの爆風の勢いを加えられた右ストレートが、アリルの左頬を直撃する。

そして、アリルは凄まじい勢いで谷底へと落下していった。



アリルが気を失ったのかもしれない。
バキュームエクストリームは解除され、無論マツリも谷底へと自由落下を始める。


マツリは直ぐさま上を見上げ、叫んだ。


「紫いぃっ!!」


「キュイイィィッ!」


彼女のもう一人のパートナー、ファルコンの"紫"が上空から急降下し、マツリの元へとやってきた。


ガシッ!


紫はその大きな爪でマツリの両肩を掴み、落下を止めた。


「あ、ありがとう紫……助かっ……」


「キ、キュイ!キュイイッ…!」


しかし、いくら大きなファルコンであるとは言え、相手は人間まるまる一人である。

紫は必死に翼を羽ばたかせるが、


「助からないかこれっ!?」


「キュ、キュイィ……」


ヒュウゥーーンッ


やがてその重さに耐え切れず、マツリは紫と共に、再び自由落下を始めた。



「キャアアアアアアアァァァッッ!!」


今度こそマツリは悲鳴をあげ、深い谷の暗闇へと飲み込まれていった。




勢いに任せた行動に、後悔はなかった。
あるとすれば、落下の恐怖そのものだろう。
コメント

No title

私はどこの熱血マンガの主人公!?
いろいろ突っ込みたいけど「デトネイター」は
地面に設置されたトラップ類を即時に発動させる。
スキルであって罠そのものじゃないからな!

弓職の必殺右ストレート!(str1

No title

大魔道士アリルさまが負けただとっ!??!?

No title

真紅が水銀灯に放った右ストレートを思い出した。
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