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三国戦争編21

後日談含め、あと2つぐらいで終わると予想。

続きは小説です。



ドォンッ!ドォンッ!


闘争の渦に巻き込まれたこの地の中心で、メカニックの瀬戸誠は片腕に取り付けたロボットの腕、散弾銃を撃ち放つ。

襲い来る古代兵器、ヴェナートの大群を次々と破壊し続けていた。


ババッ!


背後へと回り込んだ数匹のヴェナートが、誠に飛び掛かる。


しかし、誠はそれに振り向きもしない。

何故なら、



「オラアアアァッ!!」


ドゴォッ!


突如横から現れたジェネティック、サツキの凄まじい回し蹴りが浴びせられ、飛び掛かったヴェナート達はまるでサッカーボールのように空中でぶつかり合い、吹き飛んでいく。


「キリがねえなマコ!一気に行くぞ!!」


二人を取り囲むようにわらわらと現れる機械達を一掃すべく、サツキは叫んだ。


「あぁ!俺がスキを作る!」


ガシャンッ!ガシャンッ!


誠は散弾銃を一気にリロードし、その銃口を"地面へと向けた"。


「後は…頼むぞサツキィ!!」


ドドドドドドドッ!!


誠は地に銃口を埋めたまま、込められた弾を全て撃ち尽くした。


フォッ!


凄まじい衝撃の地鳴りに、地に足を着く古代兵器達は"宙に浮き上がった"。


「上出来だマコ……後は任せろよ!!」


バッ!


サツキは腰に下げた試験管を、両手全ての指の間に挟み込んだ。

その数、8本。


「ヘルズ…プラントォッ!!」


ボボンッ!


サツキはそれをヴェナート達の足元に放り投げた。

煙の中から姿を現したのは、



「ギシャアアアアアアァァッッ!!」


地獄の食虫植物達だった。

長い茎の先にある大きな口は、さながら龍のような勇ましさを感じさせる。


バクゥッ!


植物は次々にヴェナート達をその口入れ、かみ砕き、飲み込み、そして消化していった。


「気をつけろよ。俺のペットはちょっとばかし凶暴だぜ」


「ギシャアアアウウゥッ!!」


その言葉を聞く者は、誠を除いていなかっただろう。

周囲の古代兵器達は蹂躙され、たちまちその姿を消していった。





















「フンッ!」


ゴオオオッ!


右手の炎で相手を丸焼きに、


「ハァッ!」


ビュオオォッ!


左手の吹雪で相手を凍り付けにするソーサラーのアリル。

相手が遠距離から攻撃してこようが、それを全て相殺し、相手を破壊して回る。
シュバルツバルド共和国軍総隊長の名に恥じぬ、天下無双の強さがそこにあった。


ドドドドドッ!


「あっ?」


そんな彼女の前に立ちはだかる古代兵器達を、アローシャワーの矢が次々に破壊していった。


「アリルさん!助けに来たよ!……って、その必要あんまりないみたいだね」


現れたのはマツリ。

先ほどまで敵同士であったが、アリルも決して交戦する気はなかった。
新たな敵が現れ、彼女がこうして助けにきた以上、戦争の目的が変わったことを理解したのだろう。


しかし、アリルはこの上ないほど怪訝そうな顔を浮かべている。


「何してる。援護なんざ到底必要ないぞ」


「ま、まあそう言わずに……」


マツリも来た以上ただで帰るわけには行かない。
互いを背にし、再び武器を構え直す。


「菫吏のところに行かなくていいのか?」


「あぁ、それは大丈夫」


アリルは気遣いをしたつもりだったが、マツリはそれに即答する。

疑問に思い、首を傾げる彼女にマツリは続けた。



「"すごい助っ人"が来てくれたみたいだから」


「……?」


アリルは更に首を傾げたが、深く考えるのも面倒だったので、再び自分の魔法の詠唱へと集中した。























「スイングダンス!」


パァンッ!


鞭を打ち付け、自らの移動速度を向上させた菫吏は、迫り来る攻撃を次々に回避していった。

しかし、攻撃の雨を抜け、ヴェナート達が突進を仕掛けてくる。


ヒュンッ!


次の瞬間、目の前を何かが横切った。

それを感じ取れたと思った瞬間、


ドゴォッ!


打撃音と共にヴェナートが吹き飛び、リィンが姿を現した。


「見つけました。我が美しき協奏者の乙女よ」


「え…?え?」


助けられたとは言え、突然姿を現した男、更にぐいぐいと近寄ってくる様に、菫吏は慌てた。


「おぉ…間近で見ると更に美しい……。申し遅れました。私の名はリィン=R=セレスティア。名前をお聞きしてもよろしいですか?」


「あ、斐春菫吏、です…」


恍惚とした表情を浮かべるリィンに、菫吏は答えた。


「では、行きますよ。菫吏さん。私に身を委ねてください」


「み、身を委ね…?わっ!?」


横に立つリィンが楽器を構えた瞬間、菫吏は体の動きが自分の意思と関係なく動き始めたことに驚いた。


だが、すぐにその理由を知る。



「"戦太鼓の響き"」


ギャイイィンッ!


リィンが手にした弦楽器を弾くと、戦場全体を包み込むような演奏の力が展開された。


そう、ミンストレルとワンダラー。
二人の演奏者が存在する時のみ可能となる、"合奏スキル"が発動したことを。


「す、すごい…!力が溢れてくる!」


菫吏は自然とそれを感じ取ることが出来た。

これでこの地にいる味方全ての攻撃力、防御力が大幅に強化されることだろう。

それほどに満ち溢れるエネルギーは強力なものだった。



ダダッ!


勿論、そんな演奏を古代兵器達ま黙って見ている訳がない。


「リ、リィンさん!敵が来ます!」


迫り来るヴェナート達を前に、菫吏は叫ぶ。


「……"いいえ、近付かせませんよ"」


リィンはそれに対し、静かに微笑んだ。


ポロロンッ


弦楽器を弾くリズムを変化させ、新たな演奏を始めた。



「"月明かりの下で"」



ゴオッ!


リィンが小さく呟いたその瞬間、凄まじい音の力が周囲に展開され、ヴェナート達を吹き飛ばした。


「こ、これは…!?」


その光は瞬く間に二人の半径数十メートルを包み込む。


「これで、私達には誰も近づくことは出来ませんよ」


リィンは不敵な笑みを浮かべ、続けた。


「そう……絶対に、ね」


それは演奏者に近づくことを許さない、絶対にして、最強の防御壁の完成を表していた。






















古代兵器達が姿を現した方向、つまりそれを統率する者、"ヴェスパー"の下へ向かい、ダズとユノンは駆け出していた。


ズバァッ!


ダズの大鎌がヴェナートを真っ二つにし、


ドギャアッ!


ユノンのデュプレライトがディミックを次々に薙ぎ倒していく。


ゴッ!


その時、ユノンとダズは前方から迫る巨大なエネルギーの胎動を感じ取り、前を見た。


「あ、あれは…!?」


キュイイィィンッ!


ヴェスパーは、腕に取り付けられている筒上の空洞に、光のエネルギーを収束させていた。


「嫌な予感がします…!一度下がったほうが……なっ!?」


ユノンの判断は決して間違ってはいなかった。

しかし、それはあまりにも遅すぎた。



ドオオオォォンッ!!


既にヴェスパーのチャージは完了しており、その腕から凄まじい勢いで"光線"が発射された。


「は、速い!?」


反応が間に合ったとしても、体がそれに着いてこれないほどの速さで、光線は地面をえぐりながら接近する。


「クッ!」


ダズは咄嗟に前に出、それを防ぐべく大鎌を構えた。



その瞬間、



バシュウウゥゥンッ!!


ダズとヴェスパーの間に、一人の"女騎士"が割って入った。

女騎士は、手にした大盾を前に、その光線を受け止めていた。



「ネオッ!?」


「ネオ隊長!!」


彼女の名はオオニシ=ネオ。

ルーンミッドガッツ王国軍総隊長にして、騎士団最強と呼ばれたロイヤルガード。


「ウオオオォッ…!!」


ネオの足が地に減り込み、盾が少しずつ融解していく。

その凄まじいエネルギー量には、いくら盾やその主が素晴らしくとも意味を成さないのだろう。


「ダズ!!ユノン様を連れてこの場を離れろ!!」


「そ、そんな…!」


「早くしろ!!そう長くは持たんぞ!!」


ネオの決死の覚悟の前に、ダズはたじろぐ。

しかし、悩んでいる間にも、彼女の体は今にも燃え尽きてしまいそうであった。


「クソッ…!ユノン様!!」


ダズは意を決し、ユノンを連れようとした。





ザンッ!!


直後、彼女等の頭上から、凄まじい勢いで、人が落下してきた。

その人物は、あろうことか手にした剣で"光線を真っ二つに切り裂き"、着地した。


シュウウゥッ!


それにより、光線はその威力を殺され、空中に飛散する。



空から現れた女騎士は、剣を持ち直しゆっくりと立ち上がった。


「………来るのが、遅いんだよ……」


ネオは盾を下ろし、その姿を見た。

まるで、この瞬間をずっと待ち続けていたかのように。



ダズはそんな芸当ができる人物を一人しか知らない。

そう、"この人類において、ただ一人しか"。




バサッ!


真紅の髪を靡かせ、女は立ち上がった。


アルナベルツ教国軍総大将。
"真紅の龍騎士/スカーレットリンドブルム"、ジル=フィザットが最終決戦に参戦した。
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