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三国戦争編22

最終決戦、決着へ。


続きは小説です。



赤銅色の大地で二人の"最強"が再び逢いまみえ、共闘せんとする。

誰もが待ち望んだ瞬間が訪れていた。


「もう迷いはないな?ジル」


聖槍"ロングホーン"を構え、ネオは傍らに立つ騎士、ジルへと言葉をかける。


「……私は、私の護るべきものを護る。父の意志を継ぐ、一人の騎士として」


ジルも再び剣を構え、ネオと並び立つ。

彼女は振り向き、ダズを見た。


「ダズリングよ……"私達"が道を切り開く。お前の力で奴を蹴散らしてこい」


その表情に迷いは無く、強い決意が込められていた。


「……わかりました。全力を持って、それにお答えします」


フォンッ!


大鎌"クレセントサイダー"を手に、ダズはそれに答える。

ユノンはダズに近づき、手の平をそっと翳した。


「エクスピアティオ」


パアァッ


ユノンの手から発せられた光は、ダズの体と大鎌を包み込む。


「私が唯一使える補助魔法です。こんなことぐらいしか出来ませんが……後をお願いします」


支援魔法に関する力を全てヒナノに与え、己は武術のみを鍛えてきたユノンに出来る最高の支援だったのだろう。

口惜しさを顔に出しながらも、彼女は微笑んだ。


「お任せください。必ずや古代兵器を討ち滅ぼしてみせます」


体から溢れ出る力を感じ、ダズは前へ向き直った。



「では、行くぞ。ジル」


「あぁ、わかっている」


ジャキッ!


二人は一歩ずつ前へ出、己が武器をそれぞれ前に構えた。



ドドドドドドッ!


前方からは数百体のヴェナートとディミックの大群が押し寄せる。



「我は王国騎士団総隊長!!"白染回帰/ホワイティーリバイバル"、名をオオニシ=ネオ!!」


「私は"王国騎士団員"!!"真紅の龍騎士/スカーレットリンドブルム"、名をジル=フィザット!!」


ジルの言葉に、ネオは一瞬彼女を見、小さく微笑んだ。

そして心より喜んだ。


彼女の帰還を。




「「(押して)参る!!」」


ダンッ!


言葉と同時に二人は勢いよく地を蹴った。


そして大群と衝突する瞬間、二人は己が武器に力を込める。


「オーバー…!!」


「イグニッション…!!」


ゴオッ!


武器に炎のような赤い光を点し、それらを振り抜く。



「ブランドオオオオォォォッッ!!!」


「ブレエエエェェーーイクッッ!!!」



ズオオオオオォォッ!!


二人を中心とし、凄まじい勢いの爆発が巻き起こり、数百体の古代兵器を吹き飛ばしていった。


前衛のヴェナート達はほぼ全てがこれに焼き払われたが、残るディミック達が前へ出、腕の射撃武器を撃たんとする。




「させないよおおぉっ!!」


ダダダッ!


戦場を横切るように現れたのは、ウォーグ"藍月"に跨がったマツリとアリルだった。


バラバラッ!


マツリはディミック達の足元へ向かい、己がトラップをばらまく。


「アリルさん!お願い!!」


「アタシに指図するんじゃないよ!!」


ボォッ!


悪態をつきつつも、アリルは詠唱を完了し、それを打ち放った。


「ファイアーウォークッ!!」


ゴオオオォッ!!


その言葉と共に、藍月の走った道則を追うように火柱があがった。


もちろんその場にあるのは、


「起爆!!」


ドガァンッ!ドガアァンッ!


マツリが仕掛けた"クラスターボム"達であった。

レンジャーが罠を仕掛け、ソーサラーが起爆する。
本来ならば有り得ない、夢の共演であろう。





「では、菫吏さん。私達も支援と参りましょう」


「はい!お願いします!」


リィンの言葉に菫吏は答え、二人は再び合奏する。



「ビヨンドオブウォークライ」


ギャイイィンッ!


リィンが弦楽器を弾き、再び味方全体へ補助がかけられる。



「…力が溢れてくる……これなら!!」


フォンッ!


大鎌を両手に強く握りしめ、ダズは地を蹴った。


「行けダズ!援護は任せろ!!」


後押しするネオの横を通り抜け、ダズは更に強く地を蹴った。


その時、


キイイイィィンッ!


前方で待つヴェスパーが、再び腕の機械から光線を放たんとチャージを始める。


だが、ダズは歩みを止めない。

何故なら、彼女から見えるヴェスパーの後方からは、



「させるかあああぁッ!!」


グオォッ!


巨大な狼"タロー=アイコニクス"がヴェスパーに迫っていたのだから。


ドドオォンッ!!


轟音を響かせ、タローは前足で襲い掛かる。

互いに10メートルは越えるであろうかという巨体である。
さながらそれは怪獣達の戦いの如き迫力があった。


そのスキに接近すべく更に加速するダズだったが、



ズドォンッ!


「グ…オォッ…!」


のしかかったタローの腹部に、ヴェスパーの近距離からの射撃がお見舞いされた。


「お犬様ああぁっ!!」


ズズウゥンッ!!


吹き飛び、地に転ぶ巨体の前に、チェムリットが駆け寄った。


「よくも…よくもお犬様をおおぉっ!!」


バッ!


チェムリットは両手を前にし、魔法の詠唱始めた。


「アドラムスッ!!」


ビシャアアァンッ!!


突如ヴェスパーの上空から、天の雷(いかずち)アドラムスが降り注いだ。

その凄まじい威力に、ヴェスパーの動きが一瞬止まる。


しかし、


フオオォォンッ!


体のあちこちに焦げ跡を残しながらも、ヴェスパーは立ち上がり、更に"取り巻きモンスター"を召喚し始めた。


「そ、そんな…!?」


チェムリットは驚愕する。

ダズとヴェスパーの間に、数十体の巨大な古代兵器"アポカリプス"が召喚され、道を塞いでいった。


「クソッ…!」


ズザァッ!


流石のダズも、これには足を止めざるを得なかった。

壁のように立ちはだかるそれらを蹴散らさねば、到底ヴェスパーへの攻撃は不可能だろう。






「マコオォッ!!俺を投げろおおぉぉッ!!」


ガシッ!


叫んだのはサツキ。

自分の腕を誠に掴ませ、自らを敵に向かって投げるよう指示を出す。


「ダアアアアアアアァァァッッ!!」


誠は両手で掴んだ腕ごと、彼女の体を自分の周囲で一回転させ、勢いをつけて放り投げた。


ブォンッ!


嵐斧ハリケーンフューリーを自在に扱えるほどの腕力である。

神の怪力を持つ女とは言え、体重はそこらの一般女性と大差ないサツキは、弾丸の如く凄まじい速さで空中を飛翔していった。


「オオオオオオオラアアアアアァァッッ!!」


サツキは片足を前に突き出し、ヴェスパーの前へ展開されるアポカリプスに向かい、流星のような蹴りをお見舞いした。


ドゴオォッ!!

ガンッ!ガァンッ!


最初の蹴りは正面の一体だけを倒し、吹き飛び倒れたものは次のものを吹き飛ばす。

それはさながらボーリングのピンのように、機械的に、そして鮮やかなものであった。



「…ありがとう!サツキさん!!」


ダンッ!


ダズは再び地を蹴り、ヴェスパーの元へ向かった。


ゴロゴロゴロッ!


全く持って後のことを考えていなかったサツキは、地を転がりつつも顔を上げた。


「礼はいらねえ!キメて来い!!」


「はい!!」


サツキの言葉を聞き、ダズは前を見、頷き返した。




キイイイィィンッ!


アポカリプスの壁が吹き飛び、姿を現したヴェスパーは、再びそれらを攻撃すべくチャージを始めていた。



「させるかよっ!!」


ギリリッ!


そのダズの後方から、弓を大きく引き絞る男の姿があった。


「忘れたか?俺が得意なのは"こっち"のほうだぜ!!」


シュバッ!


男は"三本"の矢を同時にヴェスパーに向け、打ち放った。


「タイタン!」


ダズのよく知るその男、タイタンは不敵な笑みを浮かべ、腕を高く上げた。


パチィンッ!


彼が指を鳴らした瞬間、矢はまるで三角形を浮かべるように、空中を平走した。



「トライアングルショットッ!!」


ズオッ!


矢が描くトライアングルが、ヴェスパーの筒状の腕に吸い込まれるように入り込んだ。


ドゴォンッ!


それと同時に、ヴェスパーの腕は爆音をあげ吹き飛び、砕け散った。

ヴェスパーは膝をつき、動きを止める。


「ダズ!お前がオールスターの最後だ!行ってこい!!」


フォッ!


タイタンの言葉と同時に、ダズは大鎌を高く持ち直した。



「みんな……ありがとう!!」


ズオッ!


クレセントサイダーを振り下ろし、ソニックウェーブを放つ。


「これが…私達の結束の力!!」


更に、ダズはその真空波を追い掛けるように加速した。


「ハアアアアアアアァァァッッ!!」


大鎌を前に、彼女は突進する。


ズバァッ!


そしてソニックウェーブが横薙ぎに体を切り裂き、


ドゴオォッ!!


大鎌の突進との二つの攻撃が重なり合い、ヴェスパーの体を貫いた。


ダンッ!


更に地を蹴り、高く宙に飛び上がり、空から大鎌を振りかぶりながら落下する。



「これで…終わりだアアアッ!!」



ズバアアアァッ!!


それを大きく振り下ろし、着地する。


ビビビビビッ!


回路がショートするかのような電流を帯び、十文字に切り裂かれたヴェスパーは動かなくなった。


フォッ!


クレセントサイダーを下に構え、彼女は背を向けた。


「安らかに眠れ、古代の長よ……」



ドゴオオオォォンッ!!


その後方で、凄まじい爆音と共に、ヴェスパーは砕け散り、二度と動くことはなかった。
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