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三国戦争編23 その1

ついに終わりました。

感動のラストをどうぞ。


続きは小説です。



ヴェスパーの爆発の後、統制を失った古代兵器達は次々に機能を停止し、動かぬものへとなった。
恐らくそれが司令塔となっていたのだろう。



「と、止まった……」


「終わったのか…?」


それぞれの国の兵士達は、動かぬ敵を目の前にし、ざわめき始める。


ユノンは一歩前へ出、大きく口を開いた。


「三国同盟の兵達よ!戦いは終わりました!我々の勝利です!!」



ワアアアアアアアアアアアアッッ!!


その言葉が合図となり、兵士達は武器を高々と掲げ、雄叫びをあげる。



戦争が終結し、後の脅威も退け、全てが終わった。

それが何にも変えられない、平和と安息の訪れを示すかのように、兵士達は叫び続ける。




「……終わったな」


ネオは横に立つ騎士、ジルへと歩み寄った。


「……あぁ、終わった。何もかも、な……」


ジルは俯き、手にした剣を静かに見つめる。


ポン


その肩に手を置き、ネオは口を開いた。


「これからのことを決めるのはお前自身だ。我は何も言わん」


「……そうだな。私自身で決めること、か……」


ネオはそう言い残し、ジルに背を向けた。



「ネオ」


「…何だ?」


ジルはそれを呼び止め、小さく口を開いた。




「……ありがとう。そして、すまなかった」


その言葉に、ネオは振り向き、柔らかな笑みを返した。



「いいや、許さんぞ。お前がこれからどうするかを見せてもらうまではな」


二人は微笑み合い、ネオが差し出した手を、ジルは静かに握り返した。





















「とーりーーんっ!!」


「マツリさ…キャアッ!?」


ガバッ!


マツリはウォーグから飛び降り、菫吏に勢いよく抱き着き、その豊満な胸に顔を埋めた。。


「えーん…よかったよぉ……これでまた皆で一緒に帰れるんだね…」


「…はい、帰りましょう。私達の場所へ」


ザッ!


泣きじゃくるマツリ、それを優しく抱きしめる菫吏の前に、アリルが割って入った。


「おい、マツリ。まだ決着はついてないぞ。というか、あんなやり方は認めん」


「えぇ……やめようよアリるん。私もう戦いたくないし…」


顔をしかめ、眉間にシワを寄せるアリルに、さも嫌がる表情を浮かべマツリは返す。


「あぁ?寝言を言うな。アタシはあんなのじゃ絶っっっ…対に負けを認めないからな!ていうかアリるんって何だ!?」


「え?可愛いじゃん。アリるん!」


「やめろ!鳥肌が立つわ!」


「あはは……」


愛称が気に食わなかったのか、アリルは更に口調を強める。

菫吏は苦笑し、二人を交互に見た。


「でも、アリルさん嬉しそうですね。成長したマツリさんがいい好敵手になりましたか?」


「菫吏まで……やめろ、そんなんじゃない」


「あー、アリるん照れてるー。もしかしてツンデレ?」


「あぁん!?何だと!もう一回言ってみろ!焼いて凍らせてバラすぞ!」


「おぉ、怖い怖い……」


荒れるアリルの傍に、マツリのウォーグ藍月と、ファルコンの紫が寄っていく。


「クゥン」


「キュルル」


「おい寄るな!お前らの攻撃は心臓に悪いんだよ!」


「おー、その子達が懐くなんて珍しい!アリるん、よっぽど気に入られたんだね」


歩み寄る二匹を、アリルは焦るように手で払いのける。


「いいぞぉ。紫、アリルさんを逃がさないでね。藍月はウォーグバイトだ」


「あぁ、もう!強いて挙げるならアタシは…!」


逃げるように後ずさりするアリルは、二匹にジリジリと距離を詰められながらも叫んだ。



「動物が嫌いだなんああああぁぁ!!」




アリルの言葉がこだまし、ケタケタと笑うマツリと、柔らかな笑みを浮かべる菫吏の姿は、非常に微笑ましい光景だった。



















「あー…もう動けねえ」


大の字を描きながら、サツキは地面に仰向けで寝そべっていた。


ザッ!


そんなサツキの横に、誠が現れた。


「お疲れ。立てるか?」


「いいや、無理だ。もう1ミリも動かねえ」


手を差し延べる誠に、サツキは目をつぶりながら答える。
どうやら戦闘で女神の力を使い果たしたらしい。


「そうか。それなら……」


ドサッ!


「…ん?」


誠は小さく笑みを浮かべ、サツキと並ぶように地に寝転んだ。



「俺も、動けないことにしよう」


「……へへ」


サツキは嬉しそうな笑みを浮かべ、それに答えた。


「…………」


「…………」


二人の間に沈黙が流れる。


互いに語りたくとも語れなかった。
その呪縛は今解かれたが、時が経てば経つほど、言葉は自然と口からは出てこない。

話したいことは沢山ある。
だが、不器用な二人に、沈黙以上の言葉は不要なのかもしれない。


「………なあ、サツキ…」


「……何だ?」


空を見上げ、誠は小さく口を開いた。


「俺達………友達、だよな……」


「…………」


サツキは数秒の沈黙の後、それに答えた。


「バーカ…」


顔だけを誠に向け、続ける。




「"親友"だよ」


「……あぁ…そうだったな……」



恥ずかしげな二人は、顔を合わせない。

そんな二人に、走り寄る人影があった。



「おーーーい!サヅギさーん!マコー!」


「……おいおい、もう走れんのかよアイツ」


「はは……相変わらず元気だな、春通は」


重傷を負っていたはずの春通が、大きく手を振りながらこちらに走ってくる。



「アイツなんでマコの名前はちゃんと言えるんだ…?俺はサヅギでもサツギでもねえ」


サツキは不敵な笑みを浮かべ、更に言葉を続けた。



「サツキだっつーの……」





取り戻した友情は厚く、強く結ばれ、三人の間に深く根付いていくことだろう。


これから向かう、新しい未来を育むために。
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