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今日二つ目

内容があまりに厨二なため、興味ない方、こういう類のものに寒気がする方は見ないことをオススメします。



批判、要望などがある方はコメントにどうぞ。
WC編第5話「絶対零度」




ラヘルから氷の洞窟への道のりは、盆地のように凹んだ山道にできた湿地帯を進むものであった。


ここには多くの植物、動物が棲息しており、モロクの砂漠以外で初めてグリフォンが確認された場所としても有名だ。



そんな山の中腹を、4人の人間が徒歩で進んでいる。

女3人に男1人という、なんとも珍しいパーティである。

どういう雰囲気かというと、まず唯一の男であるチェイサーが横に大きな弓を背負ったダンサーを連れ、談笑しながら歩いている。

チェイサーの男は後ろを振り向く余裕がないのか(または振り向きたくないのか)懸命にダンサーと会話を続けている。



そんな前を歩く二人を、突き刺すように鋭い目で見つめるロードナイトとスナイパーの女。

二人の顔に笑顔は無く、時折呟く小言には殺意にも似たような感情が読み取れる。



「夜遅くに帰ってきたと思ったら、女の子を連れてくるし……揚句一緒に連れていくなんて…」


ロードナイトの女、ダズが呟いた。

横にいたスナイパー、マツリもそれに同意するように激しく頷く。


「ホントだよ!しかもあんなに綺麗な人を……お姉ちゃんという人がいながら…!」


「え?それは……」


マツリの見解にダズは反応し、否定しようとする。

だが、その先をダズが言おうとする前に、マツリは視界に入った"ある物"に興味を奪われる。


「わぁ、珍しい植物!」


マツリの視線の先には緑色の植物が生えていた。
細い茎とは不釣り合いなほど大きな蕾をつけている。


マツリはすぐにそれに心を奪われ、駆け寄っていった。


「なんだ、ただの草……っ!!」


ダズは一瞬己の目を疑った。

その植物の蕾が"動いた"のだ。
その微動に、駆け寄るマツリは気付いていない。


まずい、と思った瞬間には、既にマツリはその植物の"射程圏内"に入ってしまっていたのだろう。



なんと蕾は半分に割れ、それ自体が大きな口であったかのように、次に茎をゴムのように伸ばし、しならせながら、マツリに"噛み付いて"きたのである。


「キャアァッ!」


「くっ!!」


マツリは悲鳴を上げ、引き換えそうとしたが、その植物の攻撃のほうが若干速いようだ。

ダズは咄嗟に背負った槍を片手に持ち、振りかぶった。


「スピアブーメラ…」



ヒュンッ!


ダズが槍を投げる前に、背後から一本の"矢"が放たれていた。

それは正確にダズとマツリの横を通り抜け、植物の口を貫いた。


植物はその場で絶命し、地面に脆く崩れ落ちた。



マツリはあまりの驚きで尻餅をつき、地面に手をついてしまっていた。


ダズは、タイタンがその矢を放ったのかと考えていた。


「ふぅ…危なかったですね」


だが、後ろを振り向いてすぐに、それがタイタンではなく董吏であったことに気付かされる。


「すいません、私の不注意でした……」


ダズは素直に反省した。

自分がたわいもない事に思考を巡らせていたことに、そして目の前のダンサーの腕に疑問を抱いていたことに。


「すごい…こんなに正確に……」


反省したのはダズだけではない、マツリもそうだった。

自分と同じか、それ以上の腕を持つ者。
自分がそれに気付かなかったことに悔やむと同時に、新たな感情が芽生えていく。



タイタンはホッと一息つき、後ろにいた二人にそんな邪念を与えてしまったのは自分である、と自覚し少しの反省をする。

だが口では、


「任務なんだぞ、ダズまで気を取られてどうする。二人共もっと集中しろ!」


と言うしかなかった。

パーティーのリーダーである以上、二人を注意しなくてはいけない立場にあることは、ここにいる全員が理解していることである。


「「ごめんなさい……」」


ダズとマツリは一緒に口を開いた。



再び、今度は無言で歩き始めた4人だったが、董吏は気になったのか後ろのマツリとダズにソロソロと近付いた。


「あの、私が二人に不快な思いをさせてしまったみたいで……すいません」


マツリはそれを聞き、慌てて両手をパタパタと振って否定する。


「そ、そんな!董吏さんのせいじゃないよ!それに…」


「?」


董吏は内心何か言われるのかと思いながら、首を少し傾げる。


「弓の腕、すごいんだね。私感動しちゃった!」


マツリは董吏を羨み、素直な感想を告げる。


ダズも考えを改め、二人の会話に交じっていった。



前から振り向かずにそれを感じ取っていたタイタンは、董吏が打ち解けていったことに、気付かれないようにホッと胸を撫で下ろしていた。











「着いたぞ、ここが氷の洞窟だ」


先頭を歩いていたタイタンが後ろを振り向け、3人に到着を告げる。


洞窟の入口は、山の表面を削ったような場所に大きな口を広げていた。


入口に立っただけで、中から凍えるような冷たい空気が流れ出ていることが感じられる。



「さ、寒い……」


董吏はそれだけで体を少し震わせた。

身に纏った衣装からして、それは当然とも言える反応であった。



タイタンはそれに気付き、董吏に近づいていった。


「そんなんで腕が鈍られても困るからな、これでも着てろ」


と自分が羽織っていたロングコートを脱ぎ、董吏に手渡した。


董吏は驚いたが、内部での寒さを想像しただけでも身震いをするほどである。

素直にそれを受け取り、羽織った。


「ありがとうございます。暖かい……」


着た瞬間に温もりが全身を包んだ。

タイタンは誇らしげに語る。


「火属性を付与するカードを挿しておいてある。暖かさは保証するぜ」


服や鎧に火属性を付与する"パサナカード"。
それがコートの内側に貼られているのが董吏からも見て取れた。



コートを着ることで、何故か魅力を増してしまう董吏の姿に、タイタンは自分がやったことにも関わらずゴクリと唾を飲み込む。


マツリがすぐにそれに気付いた。


「こら!董吏さんにエッチな視線を向けないの!」


「なっ、そんな目してねえよ!」


「いや、してたね」



最初に反応したマツリだけではなく、ダズまでそれに同意する。

董吏は顔を赤らめ、恥ずかしげにコートの前を両手で押さえていた。








内部は想像していた通りの、寒々とした空間が広がっていた。

ノンアクティブ、つまりこちらから手を出さない限り攻撃を仕掛けてこないシロマ達の群れを横目に、洞窟の奥へと進んで行く。



空気の冷たさは更に増し、壁や天井だけではなく地面までもが氷で覆われた場所へ到達する。


そこでダズは、ふと考えていた疑問をタイタンへ投げかける。


「ところで、今回の異変はどんな内容だったの?」


タイタンは周囲を警戒をしながらもそれに答える。


「内部でモンスターが大量発生してるんだそうだ。このままじゃ外へも溢れ出ないとも言い切れない。今回はその原因と、出来るならそれの阻止だ」


確かに、先程のシロマ達と言い、その数は常軌を逸していた。

何やら不穏な空気を感じる中、前方から明らかな殺気をタイタンが感じ取った。


「お……敵さんのお出ましだな」


目の前の氷の壁の影から、大きな毛むくじゃらな生き物、"スノウアー"が姿を現した。


4人は武器を構え、臨戦体勢に入る。

ダズが肩に担いだ槍ではなく、腰にさした剣を抜き、タイタンより少し前に出た。


「さっきの丸いシロマが大きくなったらあれになるのかな?可愛くないね…」


マツリが素直な感想を漏らす。


スノウアーはゆっくりながらも確実に距離を詰め、まず先頭にいるダズを眼下に置いた。

次に大きく長い両腕を振りかぶり、それをダズに向かって上から振り下ろした。




ズドォンッ!


大きな音を立て、地面を揺らす一撃。

当然ダズはそれを横に跳び回避する。


そのスキにタイタンはスノウアーの背後に回り、手にした短剣で一撃を加える。


「バックスタブッ!!」


背後から強力な一撃を与え、無防備なスノウアーは体勢を崩す。


それを見逃さず、董吏とマツリは二本の矢を同時に引き絞る。


「「ダブルストレイフィングッ!!」」


そして矢は同時に放たれた。

それは二本ずつ、的確にスノウアーの両目に突き刺さった。



何が起こったのかわからず、痛みに悶えるスノウアーの側面から、


「道を開けてもらうよ。ボウリング…」


ダズが剣を両手に構え、腕に力を込める。


「バッシュッ!!」


強力な一撃が放たれた。

大きなスノウアーの体が吹き飛び、轟音と共に壁に叩き付けられた。


スノウアーは息絶え、動かなくなった。


「さっすがお姉ちゃん♪」


マツリが歓声を上げる。


「すごい、あの巨体を一撃で……」


董吏も一瞬の出来事に驚き、思わず声を上げた。


だが、タイタンは新たに現れた気配を感じ取り、一度下ろした武器をまた構え直す。


「注意しろ、まだ何かいる!」


それを合図に、全員が再び周囲を警戒する。


しかし、気配は感じるものの相手はなかなか姿を現さない。

気配を感じてから数秒後、タイタンはマツリと董吏の背後にある"氷"の塊が、一瞬動いたのを確認した。


「後ろだっ!!」


マツリと董吏は同時に振り返った。

なんと、氷でできた巨人"アイスタイタン"が壁から姿を現したのだ。


氷の巨人はその腕を二人に振り下ろし始めている。


ダズは肩に担いだ槍"パイク"を片手に持ち、巨人の腕に飛び掛かった。


「ハアアアァッ!!」


掛け声と共に槍を前に突き出し、腕に叩き付けた。

だが、



ガキィンッ!


氷の腕を弾くことには成功したものの、ダズは飛び掛かった体ごと槍を弾かれ、体勢を崩してしまった。


「なっ!?硬い…!」


ダズは痺れる腕を押さえる。

タイタンは咄嗟に状況を判断し、全員に叫ぶ。


「逃げるぞ!!」


状況は不利と判断した。

三人はそれを聞き、直ぐに行動に移す。



だが、なんとアイスタイタンは、その場で周囲を光で包み魔法の詠唱を始めた。



バキバキ!メキッ!


洞窟の道に沿うように氷柱が地面からはい出、4人を追いかけ始めた。


最後尾を走る董吏に、凍結の魔法"フロストダイバー"が迫る。


タイタンがそれに気付き、


「董吏いぃぃっ!!コートを脱げええぇぇ!!」


自分が侵してしまったミスを悔やみ、叫んだ。



董吏の着ていたコートの火属性は、水属性である"フロストダイバー"が弱点であり、天敵であった。


だが、判断が遅かった。

董吏は咄嗟に跳ぶものの、右腕が魔法の範囲に入り、一瞬で凍結してしまう。


「アァッ!!」


全身ではなく、なんとか腕だけで済んだものの、董吏は苦痛の叫びを上げる。




タイタンは董吏を庇うように走り、なんとかアイスタイタンの索敵範囲外に逃れることができた。




「すまん…俺のミスだ」


ポケットから万能薬を取り出し、すぐに董吏の腕に振り掛け、タイタンは表情を曇らせ頭を下げる。

董吏は凍結した腕が徐々に解凍されていく様を見ながら、


「大丈夫です。タイタンさんの責任ではありません…」


苦痛に顔を歪めながらも答える。

そしてタイタンは董吏からコートを脱がし、預かった。


「寒いだろうが、頑張ってくれ。同じことがあったらたまったもんじゃない」


ダズも他の全員の体に別状がないことを確認すると、周囲を見渡した。


「ここが最下層かな……寒さがまた、一段と増したみたいだ」


はく息までも白く染まるような極寒に、マントを羽織った彼女でさえ身を震わせる。




そこには一面が白で埋め尽くされた、氷の世界が広がっていた。













深い深い氷の奥底で、"それ"は静かに語り出す。


(侵入者が…再び現れたか)


口を開くだけで、周囲を凍らせてしまうような、低く冷たい声。


(氷の守護神"クトルラナックス"は侵入者を廃除する…)



ヒュオオゥゥッ

"それ"は召喚の呪文を唱え、周囲に氷の粒を含んだ吹雪を巻き起こす。


(オーディンよ!トールの炎からこの地を護りたまえ!!)



その目の前に、巨大な魔法陣と共に古えの魔獣が姿を現した。



ゴアアアアアァァァァッッ!!


魔獣は咆哮を上げ、洞窟の周囲を大きく揺らし始めた。
コメント

No title

もはやパサナcがただのホッカイロである。
ダンサーの衣装にコートとかそんな変態趣味は・・・
いや、いいかもしれない。

それは

なんか火属性ってあったかそうだよね。

ダンサーの衣装にコートはたぶん、そのうちブームくると思う(リアル話

ってことは剣魚cはアイスノンなのか
ダンサーにコートありだと思います。
てか短パン、へそだし砂は寒くないあたりが17さい

No title

まつりさんと同じ考えしてた~w
トールにアイスノン・・・なのかな~って・・。
見た目ダンサー、寒そうだよね・・。
そしてチェイサーもおなか出してて寒そうなのはkのせいですか?

単純に

ダンサー好きがいろいろと想像した結果こうなったようです。

チェイサーもスナイパーもよく考えたら寒そうだよね!


そしてなぜ次がトール編だとバレた!?
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