スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ちょっと

短いけど小説更新。


また新キャラ出しちゃったよ。収拾つくんかな…
タイタンのスキル"インティミデイト"で移動した先は、火山の更に深くへと続く道になっていた。


「飛んだのはいいものの……」


タイタンは顔をしかめた。


「マツリはどっちに連れていかれたんだ?」


率直な疑問を投げ掛けた。
決して慣れ親しんだ場所であるわけがない。ましてや、ランダムにテレポートをするスキルである。

自分達がどこにいるのかもわからないような状態だった。


「……私にもわからな、ひゃあっ!」


その問いに答えようとしたダズが、悲鳴と共に身もだえた。


シュルッ


まるで液体と固体の中間、例えるならゼリーが体をこすれるような違和感が彼女の体を走り、体と鎧の隙間に潜り込んでいたソレは姿を現した。


「ゼ、ゼラス!?いつの間に私の鎧の中に……」


紅から預けられたホムンクルス"ゼラス・ゴート"は、表情の読み取れない顔を二人に見せると、"何かを知っている"ように前を歩き始めた。

その不思議な行動を、タイタンが「しめた!」と小さく叫んだことでダズも理解した。


「あいつ、マツリがどこにいるかわかるんだな!」

「うん…!ゼラスを追いかけよう!」


二人は先導するように体を進めるホムンクルスの後を追う。



ゼラスは確実に火山の更に下層へと、二人を導いていた。
















「ここにも足跡、か……」


黄色い星の斑点が入った緑色の"とんがり帽子"を揺らしながら、女は呟いた。


「……どうやら今では"無人"であるという話は、嘘のようだな」


タイタン達と同じく、トール火山について別ルートで調査を進めていたアリルである。

無数の足跡、人がいた形跡を残すこの場所に、アリルは疑問を抱いていた。


「何かの研究がされていた…?」


アリルのこの推測はおおよそ間違ってはいない。
この火山の奥地、今や魔物の巣窟である。人が近寄らないのなら、それなりの研究をしていてもまずいことは何一つない。


だがわからないのは、"どんな研究がされていたか"である。


そしてアリルは、考えるのをやめた。

元々考えるのが得意ではないと割り切る性格であるようだ。


「アタシにはわからないな、だが……」


殺気を、敵意を放つものが周囲にいるとしたら?
目の前に敵がいるとしたら?


彼女が取る行動は一つである。


「こそこそ隠れてんじゃないよ。あぶり出してやろうか?」


アリルは右のスリット、ふとももあたりに革のベルトでくくりつけていた鞘から、カウンターダガーを抜いた。


スウッ


空間が歪む。
正確には、そこに背景と同化していたもの。

アサシン系列が得意とする"クローキング"を解除し、一人の男が姿を現した。


「……ほう、俺の気配を察知したか。勘のいい女だ」


腕の左右に装着されたナイフ、アサシンが好んで使う暗殺武器"カタール"を装備している。

薄い紫と黒といった、闇に溶け込むには最適な装束。
首にかけたスカーフで口元は隠している。


その男がアサシンの上位職、プロンテラにいたアヤと同じ"アサシンクロス"であることが伺える。


「我が名は"殺牙"。任務の邪魔をするというのなら、排除させてもらう」


左右のカタールを交差させ、臨戦体勢に入る。


「上等だ、かかってこい」


目の前に立ちはだかるもの、自分が行動する際に障害と成り兼ねないもの。

真っ先にそれを"ぶっ飛ばす"。

それがここにいるプロフェッサー、アリルの信念だった。









先に動いたのは暗殺者のほうだった。
先手必勝、一撃必殺、それが彼らアサシンの得意とする戦法であり、戦術だった。

カタールをクロスさせたまま、再び背景と同化を果たす。


「また消えるのか、臆病な奴だ」


アリルは溜め息をつき、己も一瞬の後に魔法を発動する。


「"サイト"」


その言葉と共に、アリルの周囲を火の球が徘徊する。

これは隠れた相手を瞬時にあぶり出す魔法であり、火の球との距離が近づけば相手は身を隠す術を失う。

つまり横や背後だけでなく、前後左右から"近接攻撃"をしようとすればすぐに察知されてしまう。


「!!」


だが、その暗殺者は違った。

サイトの反応しない距離からの攻撃がこちらに飛んできたのだ。


アサシンクロスが得意とする遠距離攻撃"ソウルブレイカー"の斬撃である。


「ちっ」


シャッ!


舌打ちをし、アリルは斬撃をダガーで両断した。

なんてことはない、その程度で破壊できてしまうほどの攻撃に、アリルは少しの落胆を見せた。



しかし、すぐにそれが囮であり、本命の攻撃が迫っていることに気付く。


キィンッ!


殺牙のカタールと、アリルのダガーがぶつかり合った。

もちろん、アリルが有する短剣は一本。
カタールのもう片方、更なる攻撃が繰り出される。


カァンッ!


アリルは瞬時に体を横に回転させ、重なり合っていた相手の片方の剣を腕ごと弾いた。


「くっ!」


だが、避けきれなかった斬撃が"ほんの少し"、アリルの左腕を切り付けた。
殺牙はそれを確認すると、瞬時にバックステップで相手との距離をとった。


あまりにも潔い相手の引き方に、アリルは切り付けられた腕の傷を見る。


「……毒か」


そのセリフを聞き、殺牙はスカーフの下で口元をゆがめた。

だが、警戒は怠らない。


ビリッ!


アリルは即座に自分のスリットの一部を破き、傷を負った腕の少し上、胸に更に近い位置に巻き上げた。

毒の進行を少しでも食い止めるためだろう。


「……隠れて相手を撹乱させ、毒でじわじわといたぶる。暗殺者の常套手段だな」


皮肉を込めた表情でアリルが口を開く。

その様子を見、殺牙は更に警戒を強めた。


「数滴でグリフォンさえも行動不能にさせる毒なんだがな」


その言葉にはすぐに答えず、アリルは無言で口ともう片方の手で布をきつく縛り終えた。



そして、



「答えは簡単だ」


なんと、先程のふとももに取り付けた革の鞘、そこからもう一本のダガーを取り出した。


「アタシが、グリフォンの何百倍も強いってことだ」


両手にダガーを携え、女は不敵な笑みを浮かべる。

対する殺牙は体勢を低くし、再び近距離戦を持ち込まんとする。


「戯れ事を……」


目を細め、一瞬の間を置く。
そして一気に距離をつめる。


アリルは再び繰り出されたカタールの二連撃を、両手に持ったダガーで受け止めた。


キンッ!キィンッ!


「な、にぃ…!」


殺牙の顔が歪んだ。
本来ならば利き腕のみでしか剣を扱えない職のはず。

二刀武器のエキスパートとも言えるアサシンの攻撃が、殺牙が思う"ただの魔法使い"に受け止められたのだ。


ならば力技で。
相手は女である。腕力だけなら、その細腕では到底覆せないであろうと踏んだ上で力を込める。


ギリリリッ


だが、その女は違った。


いくら力を入れようとも、びくともしない二本の短剣。
殺牙は初めて、対峙した女に言い知れぬ威圧を感じた。

再び後方に飛びのき、距離を置く。


アリルは切り付けられた左腕を再び見、既に血が止まっていることを確認すると、手に持ったダガーを握り直した。




「見せてやるよ。プロフェッサーの戦い方ってやつを」
コメント

ぜらすぅぅぅぅ(煩い
ありるん格好いいなー!
スリット破って包帯代わりとかいいですね!

さーて

トール編もそろそろクライマックス?後5回ぐらいは更新しなきゃダメぽいけど…。
イフリート戦かなり迷い中。そういえば、こうしてほしいとかあぁしてほしいとか、誰か希望ある…?批判的なものは勘弁していただけるとありがたいですが
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。