とにかく
この勝負を早く書きたかった。
反省はしていない。
続きは小説です。
反省はしていない。
続きは小説です。
「訂正しよう。貴様はただの魔法使いではないようだな」
刹牙は初めて対峙した相手に敬意を表した。
対するアリルは無言、しかし唇を少しつり上げ、微笑を浮かべる。
刹牙が周囲に纏う空気が更に気配を小さく、本体を隠蔽していく様子が感じられた。
闇に、大気に紛れ、人が察知できる気配を消し、相手の"認識"を無くす影の戦法。
刹牙が得意とし、また誇りとしている戦い方である、まさに暗殺者の鏡となる動き。
「…………」
アリルはまだ口を開かなかった。
本来魔法を扱う上で、"詠唱"というのは必要不可欠である。
彼女が口を開いていないということは、まだ魔法を使用していないということ。
刹牙もそれを確認した上で、確実に距離をつめていっていた。
シャッ!
アリルも気付かなかった。
正確には、"それ"が飛んできた瞬間に気配を察知できた。
鋭利な小型のナイフ。
アサシンが飛び道具として使用する"ベナムナイフ"だった。
文字通りナイフには毒が塗られている。
キィンッ!
気配を現した物ならば打ち落とすのもたやすい。
アリルは難無くそのナイフをダガーで弾き返した。
だが、それだけで刹牙の攻撃は止まず、あらゆる方向から次々とナイフによる攻撃がアリルに襲い掛かった。
「じわじわといたぶる気か……ならば!」
アリルはついに口を開いた。
地面に手を当て、即座に呪文を詠唱した。
ガガガガガガッ!!
周囲の地面が持ち上がり、アリルを守る防御壁となる。
その岩の壁に、刹牙のナイフは次々と弾かれていった。
"ヘブンズドライブ"を攻撃としてではなく、守りに使う気転。
しかし、それだけでは終わらない。
ズガガガガッ!!
ヘブンズドライブは更に範囲を広げ、刹牙が姿を隠す場所さえも顕にする。
「な、なにぃ…!?」
予想外の攻撃範囲に、刹牙が使用していたクローキングが解除される。
アリルはその姿を視界にいれると、岩の上を飛び、移動して距離をつめる。
刹牙は接近するアリルの口元を見た。
"まだ呪文は詠唱されていない"。
接近して魔法の追撃をするつもりではないようだ。
アリルが互いの武器による近接戦をしようとしているのだ、と刹牙は確信した。
ならば、近距離戦のエキスパートであるアサシンが遅れを取るはずがない。
ましてや不安定な足場である。勝機はこちらにあると考え、刹牙はその攻撃に応じた。
キィンッ!
アリルのダガー二本による攻撃をカタールで受け止める。
刹牙はその場でスキルを発動しようとしていた。
「メテオアサ……」
だがその瞬間、
「剣に、触れたな」
アリルがニヤリと笑った。
「なっ!ぐわあああぁぁ!!」
突然、刹牙の全身に"電流"が走った。
刹牙の膝から力が抜け、その場に崩れ落ちてしまいそうになる。
何かおかしい。
"この女は魔法を使っていないはずだ"。
アリルは再び不敵な笑みを浮かべた。
「貴様はアタシの"魔法の詠唱"がなかったはずだと言いたいんだな?だが…」
まるで刹牙の言葉を代返するように。
そして、どこからともなく、数枚の"スクロール"が姿を表した。
「ま、まさか!?」
刹牙が驚愕する。
そう、このスクロールには"詠唱"という概念が存在しない。
アリルは単に"アイテムを使用した"だけなのだ。
「このトール火山に足を踏み入れる者が、自分の鎧に"何らかの属性を付与している"可能性は高い」
アリルの言う通り、刹牙が自分の身に纏う衣服に属性を付与している。
更にアリルは言葉を続ける。
「これは賭けだったがな。貴様の属性は"水"。ならば、ライトニングローダーは数倍の威力となってその体を襲う!」
「ぐ、うぅっ…!」
刹牙が苦痛に顔を歪めた。
更にアリルがスクロールを使用する。
「風属性の弱点は、言うまでもないな?」
そう、電流を帯びた刹牙の体の弱点は今、
「サイズミックウェポンッ!」
地属性。
アリルのダガーに地属性が付与され、刹牙の体を更なる追撃が襲う。
「うわああぁぁっ!!」
刹牙は悲鳴を上げ、その場に倒れ気絶した。
アリルは二本の短剣を腰に収納する。
「ちなみにスクロールは自作だ。とまあ、聞こえちゃいないだろうがな……」
最後の言葉をかけると、背を向けその場から立ち去ろうとする。
グラリ
しかし、歩き始めようとしたアリルの視界が歪む。
「クソッ……今になって…効いてきやがっ……」
アリルはそのまま前のめりに倒れた。
体が思うように動かない。
最初に刹牙のカタールから受けた"毒"が、今その効果を発揮した。
「…ちく…しょう……」
アリルもその場から動けなくなり、気絶した。
二人は気付いていなかった。
彼らの近くでうごめく"純粋な悪"の気を放つ、異様な影の気配に。
刹牙は初めて対峙した相手に敬意を表した。
対するアリルは無言、しかし唇を少しつり上げ、微笑を浮かべる。
刹牙が周囲に纏う空気が更に気配を小さく、本体を隠蔽していく様子が感じられた。
闇に、大気に紛れ、人が察知できる気配を消し、相手の"認識"を無くす影の戦法。
刹牙が得意とし、また誇りとしている戦い方である、まさに暗殺者の鏡となる動き。
「…………」
アリルはまだ口を開かなかった。
本来魔法を扱う上で、"詠唱"というのは必要不可欠である。
彼女が口を開いていないということは、まだ魔法を使用していないということ。
刹牙もそれを確認した上で、確実に距離をつめていっていた。
シャッ!
アリルも気付かなかった。
正確には、"それ"が飛んできた瞬間に気配を察知できた。
鋭利な小型のナイフ。
アサシンが飛び道具として使用する"ベナムナイフ"だった。
文字通りナイフには毒が塗られている。
キィンッ!
気配を現した物ならば打ち落とすのもたやすい。
アリルは難無くそのナイフをダガーで弾き返した。
だが、それだけで刹牙の攻撃は止まず、あらゆる方向から次々とナイフによる攻撃がアリルに襲い掛かった。
「じわじわといたぶる気か……ならば!」
アリルはついに口を開いた。
地面に手を当て、即座に呪文を詠唱した。
ガガガガガガッ!!
周囲の地面が持ち上がり、アリルを守る防御壁となる。
その岩の壁に、刹牙のナイフは次々と弾かれていった。
"ヘブンズドライブ"を攻撃としてではなく、守りに使う気転。
しかし、それだけでは終わらない。
ズガガガガッ!!
ヘブンズドライブは更に範囲を広げ、刹牙が姿を隠す場所さえも顕にする。
「な、なにぃ…!?」
予想外の攻撃範囲に、刹牙が使用していたクローキングが解除される。
アリルはその姿を視界にいれると、岩の上を飛び、移動して距離をつめる。
刹牙は接近するアリルの口元を見た。
"まだ呪文は詠唱されていない"。
接近して魔法の追撃をするつもりではないようだ。
アリルが互いの武器による近接戦をしようとしているのだ、と刹牙は確信した。
ならば、近距離戦のエキスパートであるアサシンが遅れを取るはずがない。
ましてや不安定な足場である。勝機はこちらにあると考え、刹牙はその攻撃に応じた。
キィンッ!
アリルのダガー二本による攻撃をカタールで受け止める。
刹牙はその場でスキルを発動しようとしていた。
「メテオアサ……」
だがその瞬間、
「剣に、触れたな」
アリルがニヤリと笑った。
「なっ!ぐわあああぁぁ!!」
突然、刹牙の全身に"電流"が走った。
刹牙の膝から力が抜け、その場に崩れ落ちてしまいそうになる。
何かおかしい。
"この女は魔法を使っていないはずだ"。
アリルは再び不敵な笑みを浮かべた。
「貴様はアタシの"魔法の詠唱"がなかったはずだと言いたいんだな?だが…」
まるで刹牙の言葉を代返するように。
そして、どこからともなく、数枚の"スクロール"が姿を表した。
「ま、まさか!?」
刹牙が驚愕する。
そう、このスクロールには"詠唱"という概念が存在しない。
アリルは単に"アイテムを使用した"だけなのだ。
「このトール火山に足を踏み入れる者が、自分の鎧に"何らかの属性を付与している"可能性は高い」
アリルの言う通り、刹牙が自分の身に纏う衣服に属性を付与している。
更にアリルは言葉を続ける。
「これは賭けだったがな。貴様の属性は"水"。ならば、ライトニングローダーは数倍の威力となってその体を襲う!」
「ぐ、うぅっ…!」
刹牙が苦痛に顔を歪めた。
更にアリルがスクロールを使用する。
「風属性の弱点は、言うまでもないな?」
そう、電流を帯びた刹牙の体の弱点は今、
「サイズミックウェポンッ!」
地属性。
アリルのダガーに地属性が付与され、刹牙の体を更なる追撃が襲う。
「うわああぁぁっ!!」
刹牙は悲鳴を上げ、その場に倒れ気絶した。
アリルは二本の短剣を腰に収納する。
「ちなみにスクロールは自作だ。とまあ、聞こえちゃいないだろうがな……」
最後の言葉をかけると、背を向けその場から立ち去ろうとする。
グラリ
しかし、歩き始めようとしたアリルの視界が歪む。
「クソッ……今になって…効いてきやがっ……」
アリルはそのまま前のめりに倒れた。
体が思うように動かない。
最初に刹牙のカタールから受けた"毒"が、今その効果を発揮した。
「…ちく…しょう……」
アリルもその場から動けなくなり、気絶した。
二人は気付いていなかった。
彼らの近くでうごめく"純粋な悪"の気を放つ、異様な影の気配に。
コメント
No title
ここからはステルス刹牙の独壇場っすよ!!
まじか
まっちん>二人の運命やいかに!まあさすがにここで再起不能にするつもりはないけど…
トラバ気付かなかった。あんがとー
たいたん>タイタンも消えれるの忘れてた
トラバ気付かなかった。あんがとー
たいたん>タイタンも消えれるの忘れてた
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ていうか二人とも逃げて!むしろ起きてぇぇぇ
あと前々回くらいの日記に飛んでるトラバは消さなくていいの?