スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

敵前逃亡

学校漬けの毎日が続いている中、小説の更新です。

見たい人は続きをどうぞ。
マツリは、困惑するダズに容赦なく攻撃を浴びせる。


「マツリやめて!どうしてあなたが…!?」


必死に叫び、訴えたが、彼女はそれにまったく反応する気配がない。

むしろ、放たれた攻撃からは純粋な"殺意"がひしひしと伝わってくる。


(誰かに操られている…?それなら、下手に傷付けることはできない…)


ダズは先程と同様、剣を前に突き出し、攻撃を受け流そうとした。


「なっ!?」


バッ!


しかし、不思議なことにその攻撃は"受け流せなかった"。
瞬時に横に跳び、致命傷は回避する。

矢は肩をかすめ、ダズの体に傷痕をつけていった。


(どうして…?武器による攻撃なら受け流せないはずは……)


マツリは間違いなく、弓矢による攻撃を行っている。

タルタルが剣の動きを流し、ダズは矢の動きを流した。
同様に考えれば、マツリのこの攻撃を防ぐことも可能なはずである。


ダズが思考を廻らせていたその時、足元で何かが動いた。


「ゼラス!?ダメッ!!」


ゼラスが前に飛び出していた。

マツリはそれを見逃さず、まるで邪魔者を廃除するような冷たい視線を向けると
、躊躇することなく矢を放った。


「くっ!」


ダズはすぐに前に飛び出し、ゼラスを抱き込んだ。

これを庇ったことで、無防備なダズの背に矢が突き当たる。


「…あ…ぐっ!」


鎧で弾き、多少ダメージは軽減できたものの、決して衝撃は小さいものではない


ましてや、鍛えぬかれた弓手の一撃である。
軽いもので済むはずがない。


「ゼラス…!逃げ…て…!」


背中に重い一撃を受けたことで、呼吸が乱れる。

しかし、このホムンクルスは何かを訴えかけようとしていた。

もちろん言葉では伝えられるものではない。
だが、感覚で伝わるものがあった。


(マツリを前にして動揺した…?いや、違う…!)


ゼラスは明らかに"敵意"を向けていた。
今にもダズの腕の中からマツリに飛び掛からんとしている。


そこで一つの疑問が生まれる。

ゼラスはマツリの頭の上に乗るほど、彼女に懐いていた。
更に、このホムンクルスの主である紅とマツリの仲が良いこと、それこそダズ自
身よりも仲の良い姉妹のような関係であることを、彼女は十分理解していた。


創造主に忠実なホムンクルスは、それゆえに主の感覚を引き継ぐもの。



(もしここに紅さんがいたとしても……)


ダズの推測は間違っていなかった。
仮に紅がこの場にいたとしても、"マツリに敵意を向けるはずがない"。


そこから導き出せる答えは一つ。



目の前のマツリは"偽者"である可能性が高いということである。





ダズは剣を鞘に戻し、代わりに背に担いだクレセントサイダーを引き抜いた。


その様子を見、マツリの姿をした者はピタリと動きを止めた。

まるで、何者かに命令されたように。




その直後、聞き覚えのある声が、





『ほう、己の仲間さえ手にかけるというのか』




「!?」


頭の中に直接語りかけるように響いた。
ダズは一度この声を聞いていた。


タイタンが消える直前の"声"。

間違いなく、彼がやられた原因を作ったのがこの声の主であることを、ダズは直
感で理解した。


「…誰だ、お前は!!」




ゴゴゴゴゴゴッ!!


体を激しく揺らす地鳴りと、震える大気。
周囲の空気が激しく流れ、一カ所に集まっていく。

やがてその風の中心に、巨大な魔人の姿が形成されていった。

呼吸をすれば肺が燃えるような熱。
そしてそれ以上に、その魔人が放つ強大なプレッシャーに、ダズは恐怖した。



言葉を失うダズに、魔人は己の存在をそこに示した。



『我はトール火山の主、イフリート』



その言葉だけで気絶しそうになる体を、ダズはなんとか堪えた。

過去に対峙した"バフォメット"以上の力、強さの証明がそこにあった。


「マツリに、何をした…!」


全身から汗が噴き出し、足を震わせながらも、喉の奥から声を振り絞った。

イフリートは、自分を形成する炎を揺らめかせ、答えた。


『我は対したことはしておらん。この者の心の中、内に秘めた欲求を少しばかり
刺激しただけのこと』


「欲求、だと…?」


違和感を感じたのはイフリートの威圧だけではない。

もちろん、ダズはいくつもの修羅場を乗り越えてきたほどの実力者と言える。
彼女なりに冷静になるべき時はわきまえているつもりだ。


しかしどう考えても、どう思考を懲らしても、それではまるで…





「マツリが……私を殺したいと、考えているのか…?」



ダズの言葉に、読み取り難いがイフリートは確かにニヤリと笑ったように見えた



「嘘だっ!!そんなこと……そんなこと…!」


『貴様はこの娘を鍛えることだけを考えていたようだが』


必死に、瞬きさえも忘れるほどに、ダズは魔人を睨みつける。

だが、それでもイフリートは言葉を止めない。


『貴様は、この娘の心を少しでも理解しようとしたことがあるか?』


「……っ!!」


この言葉は、ダズの体に"動揺"という形で効果を表した。




"一緒に戦いたい"


マツリがそう言った。
タイタンは反対したが、ダズはマツリの鍛練に協力を惜しまなかった。

彼女は驚くほどのスピードで成長し、強くなっていった。


その時、マツリは私に対してどんな感情を抱いていたか。



『師とは、常に前に立ち塞がり、己の道を妨げる壁となる』



ダズはイフリートを見続けることができなかった。
それ以上のことを、考えたくなかったからだ。



『この娘にとって、貴様は目の上の瘤も同然。倒さねば先に進めぬと考えるのは
当然の心理』


「……やめ…ろ……」


ダズはうなだれたまま、鎌を握る手に強い力を込める。



『貴様の"罪"だ』


「やめろおおぉぉぉぉっ!!!」


上半身を捻り、体ごと鎌を横に振り切った。

鎌から真空の刃が発生し、魔人の体に向かって真っ直ぐ飛んで行く。



だが、それとほぼ同時に放たれたものがあった。



「シャープシューティング……」


ズバァッ!!


マツリが即座に弓を構え、矢を放っていた。

目にも留まらぬ速さで放たれたそれは、クレセントサイダーの斬撃をいとも簡単
に消し去った。


「ハァッ!ハァ……クッ…!」


ダズは大きく息を吐き、奥歯を噛み締めた。

最も驚いていたのは自分だった。
たったの一撃でここまで疲労する体。
クレセントサイダーを使用したことによる反動だけではない。


目の前で親友を失い、家族と呼べる存在からの攻撃を受けたこと。
それはダズの肉体に、精神に、内側から鉄球をたたき付けるような衝撃を与え続
けた。

頭が割れるような痛み、吐き気がするほどの胸の苦しさが、同時に身を襲う。


イフリートはそんなダズを見、落胆し感心を失った。



『人間とはつまらぬ生き物だ。この程度で動揺し、己が身を苦しめる。せめて我
の力で葬ってやろう』


指を前に突き出し、目の前のちっぽけな人間に攻撃を放たんとする。


『恐怖など感じぬ、一瞬のうちにな』


壊れた玩具を捨てるように、なんの躊躇もなく、タイタンを消滅させたものと同
じファイアーボールを撃ち放った。


「……マツ…リ……」


ダズは朦朧とする意識の中、その名を呟いた。

既に、火球が目前に迫っていることにも気付かず。


「…私……あなた…に……」


言葉は、最後まで聞き取れるものではなかった。

声の主の消滅と共に、その音は効力を失った。



彼女が流した涙でさえ瞬時に蒸発し、この世から跡形も無く消えるという形で。







"何をしてあげられたかな?"

コメント

なんか傀儡になってる!

てかdazさんまで死んだΣ

No title

うやぁぁぁ。
ダズさんも消滅・・・。
だ、だれが倒すんだ・・
このえらそーーーーーーーな魔人さま・・(ぁ

No title

いろいろ伏線はってるから気づく人は見たとき「やっぱりな」とか思うかも。
次はちょっと数時間前に戻るよ!

No title

たいたんがいつの間にか死んでる?
ちょっと読み返してくる

No title

これはまさかの全滅オチですね!

No title

たいたんの人気に嫉妬したせいか消滅という書き方に。

さて、プロにいるざーろさんはアレとしても、次はたるちんの番かな^^

ここでいいのかな?

番外編が始まる最中ですけど読み終えたんでつらっと。衝撃的だったのは・・・

アリルさんとせっちゃんとの戦闘が一番キレ良くない?

と思いました、まる

あと個人的だけど、まだ出てない人はどんどん出てきて欲しいし、ウチが知らない人も出てきて欲しいし、かな~ともあれこのまま、突っ走ってください(笑)
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。