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この戦いが終わったら

更新してないと言われるとしたくなっちゃう負けず嫌いがここに。
"数が多い"という事実の優位性は、何に関しても、特に戦闘状態において数の多さが与える影響は、ほぼ絶対と言える程"強い"ものとなる。


ここには、三つにして一人の人間と考えれば、まさに一騎当千とも呼べるような強者が揃っていた。

絶対的な防御力、圧倒的な攻撃力、驚異的な支配力、それら全てを合わせたコンビネーションがここに存在している。



一つその弱点を挙げるとすれば、人間が動くことで誰しもに蓄積されるであろう、"疲労"。

戦い続けることで、肉体の限界がいつか必ず訪れるということ。



タイタンとダズの二人がこの場を離れてから小一時間が経過している。

その場に残った三人、シャオユウ、タルタル、ミカンは、トール火山のモンスター達からの総攻撃を受け続けていた。



ドガガァッ!!


「二人共大丈夫か!?」


シャオユウは、目の前で魔法を詠唱していた小悪魔インプを、低い姿勢から放った三段掌で吹き飛ばした後、二人に呼び掛けた。


「大丈、夫…!だけど、倒しても倒しても……っ!」


タルタルは言葉を返しながらも、目の前に大きな巨体を壁にしているサラマンダー、の更に後方にいる守護者ボウガーディアンからの攻撃を避け続けていた。

実際には体を動かして避けているわけではないが、自分の能力で受け流しているのは確かである。


「キリがないよ…!矢がなくなっちゃいそうだし!」


ミカンは腰に下げた矢筒から立て続けに矢を取り出しては、鞭で相手に向かい攻撃を飛ばし続けている。
その矢が、中距離を飛び交う火の鳥カーサに命中し、次々に消滅させていく。

その矢の数が残りわずかというのは、誰の目にも明らかだった。


「引くしかない、か……タルタル、後方を任せる!一度この場を離れるぞ!」


ドゴッ!!


シャオユウは掛け声と共に、タルタルの目の前にいたサラマンダーの巨体に飛び蹴りを入れ、難無く吹き飛ばした。


「わかった!ミカンちゃんも早く……えっ!?」



その時、タルタルは一つの異変に気がついた。


シャオユウが吹き飛ばしたサラマンダーに巻き込まれるように、後方の敵がこちらを見失っている中、一つの感覚だけがまだ残されていた。


それは目に見えない攻撃。
調度サラマンダーが死角となり、タルタルの能力の範囲外に出たことで届いた攻撃であった。




「…あっ……」



口を小さく開け、小さな声で、たった一文字の言葉を口にする。



ガァンッ!!


そして強烈な音と共に、ミカンが吹き飛んだ。


両目を覆うように装着していた望遠鏡が砕け散るのが同時に見えた。


ボウガーディアンが放った矢である。

視界に入らなくなったことでターゲットを変更し、尚且つ相手にも悟られないような状況となった攻撃は、見事に敵の頭部に命中していた。



「ミカアァーーーンッ!!」


地面に倒れるこむ前に、シャオユウはミカンを抱え上げた。


幸い致命傷に至るような傷ではなかった。
運良くその望遠鏡に命中し、頭部から少量の血を流す程度で済んでいた。

だが、ミカンの意識は無く、直ぐにでも応急手当をする必要がある。


「シャオ、先に逃げて!」


タルタルは背に装着したままだった槍を引き抜き、構えた。


「なっ…!?馬鹿なことを言うな!!」


シャオユウはミカンを背負いながらも、己の拳を前に構えた。

しかし、タルタルはそれを制止するように槍を横に、道を塞がんとした。


「ミカンの手当が優先。早く安全な場所へ連れていって!」


「……くっ…!」


タルタルの言うことは尤もだった。
頭部に受けたダメージは、例え外傷が見られなくとも、内部の特に"脳"まで侵食している可能性が高い。

早急に手当をしなくてはならないことは既知の事実である。




タイタンやダズとかつて同じであったギルドのメンバー、紅のように。

彼女は、現在もリハビリを続けるほどに下半身の神経が麻痺していた。




シャオユウは、苦渋の決断を迫られる。



「……すまん!すぐに戻る…!」


言葉と同時に、彼女はミカンと共にその場から姿を消した。


そして一人になった"最強の盾"を、モンスター達は再び囲むように動き始めた。


タルタルは目線だけでその動きを追った。



「私の本名……シャオにだけしか教えたことないんだけどね」


物言わぬ、純粋な殺意や敵意だけを剥き出しにした連中に、タルタルは語り始め
た。


「騎士として、名乗るのは最低限の礼儀よね…?」


左手に盾を、右手に槍を。


「我が名は、"タルトレット=タルシエ"」


ロードナイトは、自分の存在をそこに示した。


「いざ尋常に……この数じゃそうもいかないけど、勝負!!」


一対多数の、無謀とも呼べる戦いの火蓋が切って落とされた。















ミカンが次に目を開けた時は、シャオユウの背に乗せられ、明らかに敵の気配から遠ざかっている頃だった。

彼女は、自分が気を失っていた事実を確信する。
そして同時に、頭部を襲う痛み以上に悔しさが込み上げてきた。



だが、自称"鷹の目"という広範囲気配探知能力を持つ彼女は、"いるはずの人物が一人いないこと"を察知した。



「シ……シャ…オ……」


「!気がついたか……」


ミカンが自分の背で小さな声を出したことに気がつき、シャオユウは安堵した。


「タ…ル…ちん……は…?」


おおよその見当がついていた彼女だが、更に確認するようにシャオユウに問い掛けた。


「……それ以上喋るな、傷に障る」


対するシャオユウは、少しの間を置いてそれに答えた。
その返答で、ミカンは全てを確信する。

タルタルが一人で敵を食い止めていることを、シャオユウは自分を安全な場所へ逃がすための役目に当てられたことを。



「…シャオ……すぐ、戻って……私のことは……いい…から」

「なっ!?バカなことを言うな!今ヒールをかけてやる!!」


シャオユウは敵の気配を感じなくなったあたりの適度な岩壁を見つけると、ミカンをそこにもたれさせるようにそっと降ろした。

そしてすぐに右手をミカンの頭にかざし、治癒の魔法を唱えた。



だが、傷は塞がりつつあるものの、ミカンの意識は更に遠退いていく。


「もう……いい…よ…シャオ……」


「馬鹿者!目を開けろミカン!!」


だが、ミカンの両の眼は再び開かれることはなかった。


「…もう……目…見えないんだ……」


「なっ!?」


最初に瞼を開けた時に、彼女は悟ってた。

自分がもう戦えない状態であることに。


シャオユウはミカンの腕を掴み、持ち上げた。


「ふざけるな!一人でも欠けるわけにはいかん!私達は……私達三人は!!」


ミカンはその言葉に小さく笑みを浮かべた。

そして、シャオユウが掴んでいた腕を辿るように、背を曲げ、彼女の耳元で囁くようにそっと顔を近付けた。



小さな、本当に小さな声で、ミカンは言葉を残した。

シャオユウはその言葉に言いようのない反応を見せたが、その直後、




「……!!」



シャオユウの手をすり抜けるように、ミカンの腕が地面に落ちた。


人間は体から魂が離れた瞬間、その魂分の重さを失うという。
シャオユウにもたれ掛かるように体を預けたミカンの重さは、とても"軽かった"。



「ミカン……?」


シャオユウは動けなかった。
静かに眠るように、動かなくなったパートナーを胸に抱き、その場から動けずにいた。




後に悲観の叫び声だけが、洞窟内に響き渡った。
コメント

久しぶりの小説だ!

って読んだら死亡フラグがもりもりだったぁぁぁぁぁぁ
続き気になるじゃないかぁぁぁ。

No title

なんか改めて読み直してみたらセリフの使いまわし多すぎだろう。
なるべく早く続きUPします!

No title

みかんがああああ!
全滅フラグびんびんですね。

それはそうと、小説だとみんなカッコいいね!
こんなたくましいLKになりたいです・・・。

No title

たるちんは既にたくましいので、後は美貌を磨いてください。

死亡?!

どうなるのっ!

きになるぅ~

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