スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

去る者追わず

久しぶりに小説更新。

たるたるそーすの運命やいかに。


相変わらず興味のない人h(以下略
「ハアァッ!!」


空に跳び、落下のベクトルに合わせつつ、右手に持った槍を振り下ろす。

それは群れの一匹のカーサに突き刺さり、消滅させる。


「次ぃっ!……あっ!?」


新たな敵を殲滅せんと体をそちらに向けた。
そして、気付いた時には既に盾を構えていた。



ゴオオオオォォォォッ!!



サラマンダーとインプによって放たれた火炎が眼前に迫っていたからだ。

いくら盾に守られていると言えど、常人なら気が狂うほどの熱量である。
あまりの熱に、体からの発汗は瞬時に蒸発し、体内から水分を奪う。それにより疲労も増すというもの。


だが、タルタルは盾の奥で"笑っていた"。



「これを待ってた!!」


その瞬間、タルタルの言葉に反応するように盾がまばゆい光を放った。


そう、この時彼女が使用していたのは"プラチナシールド"。
相手の魔力を反射する能力が備わった盾である。


モンスター達は己が仕掛けた攻撃を反射され、かつその盾の輝きに視界を奪われ、我を失う。

これを好機とばかりに、タルタルは更なる行動に出る。



「本当はあなたを連れてきたくはなかった……でも、お願い!力を貸して!」


謝罪の意を含み、この窮地を切り抜けるために。

彼女は親指と人差し指を、口の中に含んだ。




ピイイイィィーーッ!!



まるで耳を突き刺すような鋭い音を出す指笛。
それは洞窟全体に響き渡った。


「……届いて!」


彼女は何かを笛で呼ぼうとしていた。
その表情からして、仲間の助けを借りようとしていることは伺える。

だが、一体誰が?
ミカンは重傷を負い、シャオユウは彼女を担いで戦線を離脱した。




ダッダッダッダッ!!



足音が聞こえる。


だが、とても"人間のものとは思えない"大きな足音だった。



「クエェーッ!!」


足音の主が、大きな"鳴き声"をあげた。


「チョコ!」


タルタルがその鳴き声に反応し、名前を呼んだ。

すぐにその"生き物"に駆け寄り、その背に飛び乗った。


両の足には素早さに長けた爪、大きな体と大きな顔、そしてクチバシ。
更にその生物を象徴するが如く、左右に生えた羽。


「あなたがいれば百人力だ!!」


この世界に棲息する飛べない鳥、"ペコペコ"だった。


ペコペコを独自に訓練することに成功したプロンテラ騎士団は、騎士達がその背に乗った戦い方をできるような術も手に入れた。

もちろんロードナイトであるタルタルに、それが扱えない訳がない。


「熱いけど、我慢してね!」


「クエッ!」


よく訓練を受けたペコペコとナイトのコンビネーションは、それらの力を数倍に引き上げると共に、"特殊な技"を繰り出すことができる仕組みになっている。


「敵の数が多いなら…これしかない!」


彼女はその可能性に賭けていた。

自身が"最強の盾"として周囲から認められている事実の裏には、その能力の問題以前に、"攻撃に関しての手段を全て熟知した"という結果があった。


タルタルは槍を持つ腕に、今まで以上の力を込めた。

まるで周囲の空気さえもその腕で歪めるがの如く。



ダッ!!


その気に合わせるように、ペコペコのチョコは地面を蹴り、敵の群れに突っ込むように走り始めた。

タルタルが盾の能力で跳ね返したことにより、今モンスター達は耐性を崩しつつある。

だが、その中でも一際目立って行動を再開していたのが、弓の守護者"ボウガーディアン"である。


「チョコ!左!!」


相手が射る矢を一瞬に判断し、相棒へと指示を出す。


ガガッ!!


先程まで走っていた道に、ガーディアンの矢が突き刺さる。


現在タルタルは攻撃のために意識を集中している。それにより彼女の"最強の盾"の能力が今、失われつつあった。
本人の鋭敏な感覚と、ペコペコの脚力でそれがカバーできるからこその動きである。



しかしこのタルタルの能力は"万能ではない"。

彼女は、自分に向かってくる"武器"、それに込められた殺意を"ねじ曲げて"いる。
つまり、相手が"武器"を使用していなかった場合、"最強の盾"の能力は発動することができないのだ。

獣の己が身による攻撃、つまり肉体による直接攻撃や、魔法その他のスキル攻撃もそれに含まれる。

それは誰がこの能力を使ったとしても"同じ"。
剣、槍、斧、弓、それらの攻撃のみに発生させることができる、"意識を操る力"となる。



「っ!飛んで!」

「クエェッ!」


ブォンッ!!


サラマンダーの巨大な尻尾による攻撃を、その場で跳躍することで回避する。

これにより、タルタルとペコペコの両名は、モンスターの集団のほぼ中心に踊り出ることになる。


そこで着地と同時に、タルタルは手綱を引いた。
ペコペコは主人の命に従い、瞬時に停止する。



「チョコ、いくよ!」


相手の懐に飛び込むことで、状況が圧倒的に不利になることは殆どない。
飛び込めたからこそ、内側から攻撃仕掛けるチャンスができたと考えるべきである。

彼女は手にした槍を高く掲げ、更に力を込めた。


武器を手にした彼女は、




「ブランディッシュ…!」



"最強の盾"ではなく、



「スピアアアァァァッ!!!」



"最強の矛"に成りえるのだから。




ドガガガガガガガッ!!



タルタルはペコペコと共に、回転するようにほぼ全方位に槍を横に一閃。

巨大な衝撃波が巻き起こる。
それは突風のように吹きすさび、目に見える残像が地面をえぐり、猛烈なスピードで周囲のモンスターを襲い、吹き飛ばした。


タルタルを包囲していたサラマンダー、カーサ、インプは全てこれに巻き込まれ、消滅していく。


「……これで!終わりぃっ!!」


タルタルは最後に、衝撃波に巻き込まれずに残ったボウガーディアンに己の槍を投げ飛ばした。



ズガァンッ!!



槍は守護者の胴体を貫き、上半身と下半身を二分する。

その威力に、鎧が動くことは二度となかった。



「ハァ、ハァ……決着ぅ!!」


息を切らしながらも周囲の状況を見、残った敵がいないことを確認する。


「チョコ、シャオとミカンのところへ急ごう!」


「クエーッ!」


勝利の余韻に浸る間も無く、タルタルは残った盾だけを背中に装着し、手綱を握った。













(情けないものだ……ガーディアンと言えどこの程度か)


時を同じくして、その闘いの一部始終を見ていた者、その声の主は小さくそう呟く。


(しかし、あの女騎士の力は侮れんな)


その人物の前を走り去ったのはタルタルだった。

"女騎士"というのがそのタルタルのことを指しているのは間違いないだろう。


(少し、手を打っておくか)


その人物は歩を進めると、タルタルが最初にトドメをさした守護者"ソードガーディアン"の前で立ち止まった。

そして、"腕らしきもの"を前に掲げ、怪しげな光を放つ。



ギギ、ガラガラッ


このガーディアンは三姉妹の攻撃で、ほぼ全ての部位を損傷していたはずだ。

しかし、その謎の人物が放った光により金属が繋ぎ合わされていく。
数秒もせぬうちにガーディアンは元の姿に修復され、再び動き出そうとしていた。


(出る杭は打たねばな……)


光が止むと、ガーディアンはタルタルが走り去った道を的確に追跡していった。





女騎士はそれに気付かない。
彼女は自分の仲間の元へと急ぐばかりであった。
コメント

この子たくましいね・・・。

ペコの名前はチョコという事がわかった新事実!
まさか、こんな子になるなんて思いもしませんでしたハイ
適当名前なのに立派になってくれた!

No title

たるちょこのチョコだけとってみた。
剣ガとかまじヨユーっす!たるとさんパネェっす!


おや、こんな時間に誰か来たみたいだ…。いってくる
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。