番外編
暇なように見えて実は暇じゃないんだよ。
とても短いですがどうぞ。
とても短いですがどうぞ。
「どうしてわかってくれないの!おじさんのバカッ!!」
休日のプロンテラの一室で、一人の少女が叫んだ。
「叔父に向かってバカとはなんだ!?お前には男なんて5年早いんだよ!」
対面する男は親族だろうか。
どうやら少女の恋人に関して不満があるような物言いである。
「ふ、二人とも落ち着いて……」
間に入り、仲裁しようとした女性はあたふたしながら二人を交互に見る。
「「お前は(お姉ちゃんは)黙ってろ(て)!!」」
しかし双方に怒鳴り返され、女性は黙るしかなかった。
「え?マツリちゃんに恋人が?」
プロンテラの街中で露店を巡りながら、もう一人の女性は驚いたように言葉を返した。
しかし、驚いた後は楽しそうに笑顔を作り始める。
対する女性はうな垂れ、複雑な表情を顕にする。
「そうなんです……私は特に反対する理由もないのですが」
悩み、頭を抱える女性の名は"ダズリング"。
「ふぅん……マツリちゃんももう、年頃の女の子ですしねぇ……」
対して満面の笑みを浮かべる女性は"董吏"。
二人はギルド"Water Carnival"の一員として、物資の調達にあたっていた。
その時にダズが呟いたのがこれである。
"マツリに恋人ができた"
ギルドマスターであり、マツリの叔父であるタイタンは、この交際を一切認めようとはしなかった。
「そうですねぇ、私は恋愛は自由だと考えますけど……」
董吏は肯定的な言葉を口にした。
もちろんだと、ダズもそれに同意して首を縦に振った。
「一度、その彼氏さんに会ってみてはどうですか?」
なるほど、とダズは両手を合わせる。
それで相手の判断をしてからでも遅くはない。
むしろ、良い人ならば自分も喜んで交際を応援したいし、タイタンを納得させるだけで済む話だ。
あまりあるとは思えないが、悪い人ならば腕尽くで、という考えが頭を過ぎる。
「ありがとうございます董吏さん。早速帰って話を進めてみます」
ダズは一礼すると、購入した物資を持ち、立ち去ろうとした。
「あ、ダズさん」
しかし、そこで董吏が呼び止める。
ダズはすぐに振り返り、表情で「?」を作る。
「マツリちゃんのことも大事ですけど、ダズさんもそろそろご自分の心配をしたほうが……なんて、お節介でしたか?」
「な…!?」
顔を真っ赤にしてダズは焦り始めた。
それと同時に、一人の男の姿が頭に浮かんだが、片手でアタフタとそれをかき消すようにする。
董吏はその様子を見て、楽しそうに笑っている。
「わ、私はいいんです!失礼します!」
慌ててその場を立ち去るダズ。
董吏は片手を上品に唇に当て、クスクスと笑いながらその姿を見送った。
「ふふふ………ふぅ……」
そして、ダズの姿が人ごみに消えると同時に、董吏は小さくため息をついた。
「……私も人のこと言えない、かな……?」
と、口にしている自分を、グーの拳を作り頭をコツンと叩いた。
「いいのいいの、私にだっていつか王子様が現れるんだよー」
独り言を言い聞かせるように呟き、ダズとは反対の方向へ歩を進める董吏であった。
休日のプロンテラの一室で、一人の少女が叫んだ。
「叔父に向かってバカとはなんだ!?お前には男なんて5年早いんだよ!」
対面する男は親族だろうか。
どうやら少女の恋人に関して不満があるような物言いである。
「ふ、二人とも落ち着いて……」
間に入り、仲裁しようとした女性はあたふたしながら二人を交互に見る。
「「お前は(お姉ちゃんは)黙ってろ(て)!!」」
しかし双方に怒鳴り返され、女性は黙るしかなかった。
「え?マツリちゃんに恋人が?」
プロンテラの街中で露店を巡りながら、もう一人の女性は驚いたように言葉を返した。
しかし、驚いた後は楽しそうに笑顔を作り始める。
対する女性はうな垂れ、複雑な表情を顕にする。
「そうなんです……私は特に反対する理由もないのですが」
悩み、頭を抱える女性の名は"ダズリング"。
「ふぅん……マツリちゃんももう、年頃の女の子ですしねぇ……」
対して満面の笑みを浮かべる女性は"董吏"。
二人はギルド"Water Carnival"の一員として、物資の調達にあたっていた。
その時にダズが呟いたのがこれである。
"マツリに恋人ができた"
ギルドマスターであり、マツリの叔父であるタイタンは、この交際を一切認めようとはしなかった。
「そうですねぇ、私は恋愛は自由だと考えますけど……」
董吏は肯定的な言葉を口にした。
もちろんだと、ダズもそれに同意して首を縦に振った。
「一度、その彼氏さんに会ってみてはどうですか?」
なるほど、とダズは両手を合わせる。
それで相手の判断をしてからでも遅くはない。
むしろ、良い人ならば自分も喜んで交際を応援したいし、タイタンを納得させるだけで済む話だ。
あまりあるとは思えないが、悪い人ならば腕尽くで、という考えが頭を過ぎる。
「ありがとうございます董吏さん。早速帰って話を進めてみます」
ダズは一礼すると、購入した物資を持ち、立ち去ろうとした。
「あ、ダズさん」
しかし、そこで董吏が呼び止める。
ダズはすぐに振り返り、表情で「?」を作る。
「マツリちゃんのことも大事ですけど、ダズさんもそろそろご自分の心配をしたほうが……なんて、お節介でしたか?」
「な…!?」
顔を真っ赤にしてダズは焦り始めた。
それと同時に、一人の男の姿が頭に浮かんだが、片手でアタフタとそれをかき消すようにする。
董吏はその様子を見て、楽しそうに笑っている。
「わ、私はいいんです!失礼します!」
慌ててその場を立ち去るダズ。
董吏は片手を上品に唇に当て、クスクスと笑いながらその姿を見送った。
「ふふふ………ふぅ……」
そして、ダズの姿が人ごみに消えると同時に、董吏は小さくため息をついた。
「……私も人のこと言えない、かな……?」
と、口にしている自分を、グーの拳を作り頭をコツンと叩いた。
「いいのいいの、私にだっていつか王子様が現れるんだよー」
独り言を言い聞かせるように呟き、ダズとは反対の方向へ歩を進める董吏であった。
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