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番外編3

どうやらPSPでやるゲームができてしまったようだ…。
勉強できるかなこれから。ROはまだ課金してないけど、1DAYだけで遊びまくってる!

続きは小説、番外編。
見たくない人は避けましょう。
激しい後悔は、唐突に全身を駆け抜けた。

一体誰がこうなることを予想できただろうか。



「お姉ちゃんも頑張ってー!!」



遥か後方から、マツリがエールを送ってくる。
自分が助太刀、もしくは止めるつもりは毛頭ないようだ。

ダズが対峙する人物は、明らかに殺気を放っている。
しかし、こちらに敵意は全くない。



これは"手合わせ"のはずだった。
真剣は使うが、決して相手に傷をつけることがないようにする。前以てそう確認
し合っていたはずだった。

後方のマツリを、ダズは振り向かずともその雰囲気だけで感じ取り、再び前方を
見やる。



(……あれは……"エクスキューショナー"だよね……)


対峙する人物が手に持つ剣、それは遥か昔罪人の処刑用に使われ、数多の鮮血を
撒き散らしてきた両手剣。

何故そんなものを相手が所持しているかは、もはや聞くまい。
既に剣は鞘から抜かれているのだから。


大気が歪み、身を震わすその殺気にダズは恐怖さえ覚えた。


(鷹さん、クレスさん……あなた方も素晴らしい剣の使い手でした)


過去に剣を交わした人物達が脳裏を過ぎる。
現在対峙する相手も彼等と同様にナイト系列であり、体から発するオーラで


(……でも、この方も……同じぐらいでしょう)


と素直に感じずにはいられなかった。


少しの瞬き後、ダズはずっと両手に持っていた長い棒状のものを高めに持ち上げ
た。
先端には布が掛かっている。

そして、ゆっくりとその布をほどきはじめた。



それは棒ではなかった。

先端は鋭利な刃を煌めかせ、姿を現す。




「私も全力でお相手します。この"ゲイボルグ"で」


"竜殺しの槍"として名高い豪槍。

ダズも全く加減をするつもりはないようだ。
いや、出来ないのだろう。




プロンテラの一角が、異質な空気に包み込まれていく。



"人殺し"と"竜殺し"が、相対する瞬間であった。


















「あれ?」

「え?」

「うん?」



三人がほぼ同時に、似たような反応をした。

最後に声を出したマツリは、二人の顔を交互に見る。


「ありゃ、もしかして面識あった…?」


そのマツリの言葉で我に返るダズ。
もちろん忘れるはずはない。

さっき出会ったばかりなのだから。



「さっきのお姉さんじゃないか!」


ロードナイトの男性は口を開いた。
その足元では、小さな"デザートウルフ"が尻尾を大きく左右に振っている。


「ど、どうも……」


「マツリ!君のお姉さんってこの人だったのかい?」


男性は嬉しそうにマツリに顔を向ける。
マツリは若干複雑な表情をしたが、思い出したように二人の間に入った。


「うん、これが私のお姉ちゃん。ダズお姉ちゃん、紹介するね。この人が私の彼
氏"ハマー"さん」

「よ、よろしくお願いします。ダズと言います」


ダズは深々と頭を下げ、
名前をお互いが聞いたのはこれが初めてだと思い出した。

対する男性、ハマーも頭を下げた。


「ロードナイトのハマーです。マツリからよく話を聞いてます」


特に悪い印象はない、とダズは感じた。
挨拶の姿勢もしっかりしており、ペットを連れている以上、優しい性格であるこ
とも伝わってくる。

ロードナイトであるからには、個人での強さも問題ないと思われるし、身のこな
しにもあまりスキがない。



少しのやり取りだけでダズはここまで判断できたが、それは相手も同じことだっ
たらしい。



「あれ?ダズさん、槍使いなのかい?」

「……よく気付きましたね。いつもは剣を扱うのですが、槍をメインの武器とし
ています」


この洞察力はダズも予想をしていなかった。もちろん、今ダズは槍を持っている
わけではないのだから。
だが、何故わかったのかと尋ねてみたところ、その返答は意外なものだった。


「いや、なんとなく…っていうのが本音なんですが、強いて言うなら"歩き方"で
すかね」

「歩き方、ですか?」


普段気にしたこともない歩きについての言葉を受ける。
意識したことはなかったが、彼にはどんな風に写っていたのだろうか。



「剣は正面に構えるのが普通です。なので、両手で持っていても体勢はあまり関
係ないのですが、槍は突きの動作が非常に重要です。だから両手で持つ場合、腰
のあたりで体を"捻る"か、もしくは体全体を横に向ける必要があります、よね?



確認するように、ハマーはダズの顔を見た。
目があったダズはすぐさま頷く。


「確かに、戦闘中私は上半身を捻ることが多いです」


その言葉を聞き、やっぱり!と言ってハマーは笑顔を向けた。


「自分では気付かないと思うんですが、歩きに少しだけ"上半身を捻る癖"が見え
ました。もちろん、普通はそんなこと気にならないと思いますが……」



脱帽した。

自分でさえ気付かぬうちに、戦闘での癖が行動に表れていたらしい。


驚きに数秒言葉を失ったが、ダズは再び口を開いた。


「すごい……今までタイタンも気付かなかったことなのに」

「い、いや、あくまでカンですから!たまたま当たっただけですよ」


妹(のような存在)との交際相手として、これほどの逸材は他にいないのではな
いかと思われた。

そういう点では、ダズは保護者として合格点をださざるをえない。



しかし、マツリはそんな二人を交互に見つめ、顔を膨らませた。


「もうー!私の話しにきたのに、二人で勝手に盛り上がらないでよ!」

「あっ、ごめん!」


その後二人でマツリに頭を下げ、今度は三人の話で盛り上がった。





数分後、ダズはタイタンの性格から判断し、一つの案を持ち出す。

マツリとハマーはそれに驚かざるをえなかった。



「お姉ちゃんとハマーさんが、勝負…?」

「俺とダズさんが…?」


二人はほぼ同時に言葉を返した。
ダズはそれに頷く。


「もし、ハマーさんがタイタンも認めるような腕があれば、"マツリの護衛"とい
う形で傍にいていただくことができます」

「そ、それはそうだけど…ハマーさんはどう?」


マツリの問いに、ハマーは難しい表情をする。


「確かに、自分自身ダズさんとお手合わせ願えるなら、嬉しい限りです。ですが
…いいんでしょうか?そこまでしていただいて」


恐縮しているらしい。
ダズはもちろんと首を縦に振った。


「お姉ちゃんは強いんだからね。ハマーさんだって危ないよ!」

「はは……がんばるよ」


マツリの言葉に苦笑いをして返すハマー。

ダズも内心喜びを感じていた。
強い人と、武器を交わすチャンスが生まれたことに。


「勝負は真剣で、相手に"まいった"と言わせたほうが勝ちです」


真剣を使うことに躊躇いはなかった。
むしろそのほうがタイタンも納得するだろうと考えた上である。

だが、ハマーはそこで片手を挙げ、意見を出した。



「あの、ダズさん。よければ……槍で相手をしていただけませんか?」

「……?えぇ、それは構いませんが、相性などの問題が出るかもしれませんよ?



槍の長さの関係上、剣よりリーチの面で有利になる可能性が強いことは否めない

逆に懐に潜り込めば、剣のほうが有利になる場合もある。だが、その近付くまで
が問題になるだろう。


「それでもいいんです。自分がどこまで戦えるか試したくて…」


その向上心に、ダズは笑みを返した。


「わかりました、当日は槍を持参します」

「ありがとうございます!」


ハマーは再び大きく頭を下げた。

正直に言うと、ダズもあまり自信がないのは確かだった。
この人物は強さの底が見えない。スキを見せれば負けてしまうだろう。


「ハマーさん、頑張ってね!カッコイイとこ見せてくれなきゃ~」


マツリが肘でハマーをつつく。

見たところ、二人の間にも信頼関係がしっかりあるのだろう、とダズには感じら
れた。




その後待ち合わせの時間も滞りなく決まり、ダズは気を遣って先に戻ると言い残
して、その場を去ろうとした。

だが、それをハマーが呼び止める。



なんてことのない、しかしどこか違和感のある言葉で。






『……身の危険を感じたら、迷わず逃げるか、止めてください』







その時は、何も気に止めることはなかった。


当日、それを知るまでは。






時は文の始めに戻り、ダズは現在ハマーと対峙している。



そう、ハマーは普通の人とどこか違ったようだ。

自分では気付かないが、他者からは明らかに違いがわかってしまう。











彼は、



"武器を持つと人が変わる"



という性質を持っていたのだ。




ダズは既に、命の危険を感じていた。
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